076.うっしっしっ
「コイツ、胸がデカくて、女神、シンの嫁にピッタリじゃない?」
ティコアが、シンを見ながら、口を挟んできました。
さっき聞いたのですが、【神の加護:鑑定眼】の情報はパーティーメンバーにある程度流れるようです。
ティコアは、その情報を元に女神だと判断と言うか見たまま口にしたみたいですが、コイツは、女神じゃなくて悪魔ですよ。
ティコアさん。
どう見ても、悪魔にしか見えないです。
コイツが女神?
なんかの冗談です。
嫁どーのこーのは単なるティコアの嫌がらせでしょう。
本気じゃない事くらい、見れば分かります。
「(このわたくしが、このわたくしが、こんな知性も欠片も無い獣人の嫁と言うのですか? 信じられませんわ。この女神リマト・ニンスンを嫁に貰うのなら、それなりに格式のあるお人じゃないと釣り合いけませんわ)」
うるさい。
うるさいです。
この悪魔がうるさいです。
さっきから、文句を言っているようですが、無視です。
巨乳に産まれたことを後悔すればいいんです。
「いや無理。コイツは殺ることに決めたから。・・・・・・いや、シンに殺らせるから」
冷たい声で言い放ちます。
少し、打算的な発言に変えました。
大丈夫だと思うんですけど、万が一、ステータスの情報が正しかった場合、コイツは女神なんです。
ただただ、ボクの直感で倒すべき相手と判断しただけなんです。
こういった判断は間違った事はないんですけど、今回はスケールが大きくなりそうなので、シンに責任が行くようにします。
女神殺しの称号なんていらないし、少し冷静になって女神はマズいかなぁって思った訳じゃないです。
「(わたくしをヤると言っています。そう言えば、聞いたことがあります。女性にこんな獣を襲わせて、それを見て楽しむ獣姦。この銀髪の小娘はわたくしを慰み者するつもりなんですわ)」
「いや、ちょっと待て。オレが巨乳好・・・あーいやいや、貧乳はサイコーだけど・・・。コイツ、女神だと言っても、牛だろ? どー見ても、この姿は、牛だよな。さっきからモーモーとしか言ってねぇし。それに、いくら、胸がデカくても、牛は巨乳と言わんだろ?」
そうなんです。
牛なんです。
モーモーとうるさい、女神なんですけど、牛なんです。
言葉が通じないから牛で充分です。
「なんでも良いですから、シンは、ちゃっちゃと殺っちゃって下さいね。エクスカリバーがあるから余裕ですよね? あっ、ちゃんと手加減を忘れないようにして下さいね」
【乙女流:接客術:営業笑顔】
営業活動での知恵から産まれた【乙女流】の技です。
ニコニコ笑顔で断れないようにします。
これで、全責任はシンに行きます。
「マスター、殺るのはちょっと待って下さい」
今度は、クリスが口を挟んできました。
ちょっと、シンに考える時間を与えないで下さい。




