052.海の幸
カルキが漁で捕ってきた海の幸をアイテム収納に収納して、浜辺から宿屋に移動しました。
世の中便利です。
本来、対象が活きたままではアイテム収納出来ないのですが、【神の加護:アイテム収納:漁師収納モード】と言うのがあって、漁で捕った海の幸を最良の状態で収納してくれました。
アイテム収納に入れておけば鮮度は保たれるんですけど、3枚におろされていたり、毒のある部位が処分されていたり、血抜きが必要なモノは血抜きまでしてあって、本当に便利です。
で、4人で昼食です。
天界で定番と言うかオンリーワンの完全食以外でお腹を満たします。
あれは、食べ物と言うよりも、サプリメントです。
カルキは燃費が良くて、魔力さえあれば生きていけて、食べなくても平気です。
ここに来てからは、プリン以外の食べる事に興味が無くてずっとプリンオンリーでした。
そして、今日は、みんなと一緒の食事が良いって事で、同じ食事に挑戦です。
「美味いのじゃ。美味いのじゃ。美味いのじゃ」
「美味しいです」
「ほんとに、うめぇなぁ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
沈黙です。
一口食べて感想を言った後、みんな、沈黙しています。
でも、沈黙には理由があります。
どの世界でも共通みたいです。
「おかわりを所望するのじゃ」
「俺も」
「あ、あたいも」
「はいはい」
今日のメニューのチョイスは、みんな、スプーンしか使った事が無かったので、手で食べれて美味しいモノにしました。
その上、ボクが食べやすいように加工してます。
【乙女流:合気術:刹那】
腰の短剣を抜いて、素早く斬りつけます。
身を斬らないように注意してです。
そう、海水で茹でたずわい蟹の殻だけを斬りつけるんです。
肉を斬らずに、殻を断つんです。
ミリ単位以上の正確さが求められます。
そして、身を崩さず、食べやすい状態にします。
「みなさん、どうぞ」
3人に、殻を取ったずわい蟹の足を渡しました。
みんな、高い位置にずわい蟹を持って、旨味の付いた垂れかけた汁を逃さないように、下から上へと、口を動かしてパクりと・・・・・・。
「「「!!!!!!」」」
3人の視線がボクに集まりました。
「お嬢、これは何だ! さっきのと味が全然違うじゃないか」
「ほんとなのじゃ。こっちのが美味しいのじゃ」
「さっき食べたのより、今のが美味しいです」
3人とも大興奮です。
狙い通りです。
「最初に出したのが、【神の加護:インダス】を使って用意したずわい蟹で、今、出したのが、カルキが漁で捕まえてきたヤツです。体感的に、【神の加護:インダス】を使った料理や食材は、一番美味しい味の50~60%くらいの味です」
【神の加護:インダス】で作った食べ物は、美味しいんですけど、美味しくないんです。
本当に一味足りない感じなんですよ。
ですので、今日、カルキに試しで漁に行って貰ったんです。
「マジうめぇな。その辺で捕まえたヤツなんだろ?」
「そうですね。カルキが捕ってきてくれたヤツです」
「妾が捕ってきたのじゃ。もっと欲しいのじゃ」
「はい。カルキ。どうぞ」
「お嬢、すまねぇ。俺にも」
「あたいも・・・お願いします」
みんなで、美味しいずわい蟹を食べ尽くしました。




