040.クリシュナ、大地に立つ
「嬢ちゃん、先に行きな」
ポンッと背中を押された。
不意をつかれたので、躓いたようにゲートまで進み、ゲートに手が触れた。
「あっ」
手に触れたゲートの感触がなくなった。
ダイブが始まった。
と思ったら、すぐ終わった。
すぐに、パルダリウム内に着いた。
ほんの一瞬だった。
ちょうど、生体の後ろに出現出来たので、ちょっと驚かせてあげよう。
そっと近づいて・・・。
「娼館を作って、避妊せず、みんなでパコパコして貰えば、子供が出来て、人口も増える!? これって、ナイスアイディア!」
あたいの生体がとんでもない事を言い出した。
さっき想像した性行為が思い出されたので、恥ずかしくて、生体を叩こうとした。
「意味が良く分かんないけど、きっと、違うわよっ、えっ? わっ! イタッ!!」
ふわっとしたら、クルクルっとして、ドンッと背中から地面に叩きつけられた。
「い、痛いわね。なんすんのよ!」
顔を上げて目に入ったのはパルダリウムショップで一目惚れした可愛らしい女の子の生体です。
銀色のポニーテール、赤い目、白い肌、あたいのアヴァターラとそっくりな顔。
性行為を思い出した時より顔が赤くなっていくのが分かる。
女の子だって分かっているのに、顔を見たら、胸がドキドキしてる。
下腹がキューンっとしてきた。
この感覚・・・よく分かんないけど、大事な事のような気がする。
「ボクは何もしてないですよ? どこか触りましたか? フルフラット」
えっ?
どうして?
実際のあたいに似てるけど、全く異なる姿のアヴァターラ。
でも、どうして、私って分かったの?
「あたいは、クリシュナ。フルフラットと言う名前じゃない」
一応、誤魔化しておく。
出来る女だから、これくらい、気が回るんだよ。
「ふーん」
出来る女じゃなかった。
少しショック。
ごめん、ノーダメージ。
「じゃあ、クリシュナ」
思いっきり気を使われた。
「クリスでいい」
ぶっきらぼうに答える。
「じゃあ、クリス。後ろの欲望と殺気の塊のライオンの獣人は誰だい?」
あたいの生体とシンの間に緊張が走った。
そして、所持金の増え方が加速した。




