010.ただのクエスト
ハイエルフの姿から元の人間の姿に戻った。
神の加護を貰う前と全く同じ状態だ。
なにもかも元に戻ったんだが、身体が重く感じる。
そして、目の前に、大きな真っ白いドラゴンがいる。
尻尾まで真っ白です。
尾っぽも・・・。
全然面白くないです。
『ただのクエストです。神の加護が無くても大丈夫な事を証明して下さい』
そう、中世の騎士のような格好をしたヘラヘラ笑っているお姉さんに言われた。
ボクの事を見下している笑いだった。
あそこにいる10人と同じパルダリウム協会の人らしい。
アヴァターラと言う人工生体を使って、この世界、フルフラットに来たようだ。
格好はパルダリウムの人工的な世界の平均的な文明レベルに合わせてあるらしい。
簡単に言うと、与えられた神の加護に似合った地力を見せろと、見せたらこの世界と大量の神の加護を認めてやろう。
そうでなければ、大量の神の加護持ちは、世界のバランスが崩すから死ねと・・・。
で、神の加護を無効にした状態でこのドラゴンと戦えって、どんな無理ゲー?
いや、デッドエンドが目的だから、これで正解なんだけど・・・。
でも、武器すら無く素手ですよ。
素手!
ドラゴンがスパッと斬れる剣も神の加護で貰ってたんですよ。
その武器があったら、この状況は簡単に打破出来てたんです。
でも、無いのは仕方ないです。
そう思うくらいしか出来ません。
実際、無手の武術をやっているんで、素手なのは良いんですけど・・・。
相手が大きすぎます。
武術が通用するかも分かりません。
ボクはどう立ち回ろうかと必死なんですが、お姉さんたちは、ボクの生死より、たくさんいるカメラやビデオカメラを持ったアヴァターラの方を気にして、お化粧直しに必死です。
状況的に、ボクが死ぬ事は決定事項っぽいですからね。
ボクの事より、自分の事ですか・・・。




