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Part6 意外な発見

また短いです……すみません。



あと、ブックマークしてくれた方々。いっつも他の作者さんがお礼を言っているなー、なんて思ってたけど。

いざ自分に来るとテンション舞い上がっちゃう感じがよく分かった気がします。


ブックマークありがとうございます!

「さて、色々あった訳だが街の方には案内してもらえるのか?」



 しばらく経って落ち着いてきたリゼニアにかけた台詞。暗に『さっさと案内しろ』という意思を込めていたのだが、当の本人には察せなかったようだった。



「……それ、やめて」

「ん? すまない、何か言ったか?」




「だから……その『リゼニア』って呼ぶのやめて!」




 突然怒り出すから何があったと思ったが、どうやら名前をそのまま呼ばれるのは余り好きではないらしい。




 ――その名前を名乗ったのが自分であるにも関わらず、だ。




「呼ぶなと言われてもな……この名前を名乗ったのは君自身だろう?」

「うっ……」


 言われたことが図星だったのか、言葉に詰まるリゼニア。それでも、視線で不服を訴え続けてる辺りは本気のようだが。

 結局、揚げ足取りに飽きた――半分は罪悪感だろうが――私が折れてやることにした。







「分かった分かった、なら私にどう呼んでほしいんだ」



 今にも頭を押さえそうな声音で多分に呆れを含ませながらも聞く。かなり面倒がってるのが隊員には分かった。



「……リーゼ、って呼ばれてる」



 辛うじて聞こえるか聞こえないかの瀬戸際、確かにそう言った。だがしかし、こういう場面での動きは私の方が1枚上手だったようだ。



「よし分かった、リゼと呼ぶとしよう」



 この空気の読めなさが天然であり、かつ突発的なのが一番恐ろしい。無意識かつ反射的であるがゆえに予測も不可能、その上話の腰を見事に粉砕してくれるからとにかく困ったものだ。



「……もう何でも良いよ……」



 項垂れながら呟くリゼニア――リゼ。その点だけは同感できる隊員が、確かに頷いたように見えた。それも、ほぼ全員が。

 どうやら、周囲の隊員の認識では「かなり天然が入っている」と判断されているようだった。



「……まあ、ここで立ち話しててもたいして話すことないし、街に行こ?」



 なんだか釈然としない感じだったが、気を取り直して訊ねてくるリゼ。しかし、私はまったく別のことに気が付いた。


「そういえば、いつの間にかリゼの話し方が素になってるな」



 ……またこの人は話の腰を折ってくれる……、とばかりにジト目で睨むが、当の私にはまったく効果がなかった。



「はあ……この話し方が私の本来だからね」



 もう諦めたように首を振って、そのまま街へと歩いていこうとした。

 その手を、掴む。怪訝そうに振り返るリゼに、真剣味を帯びさせながら提案を口にする。



「街まで歩いていくにはもう遅い……輸送車を使わないか?」















「…………へ?」

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