僕の世界
掲載日:2014/10/26
君は泣いていた
シングルのベットに2人
重なり合う君が上で僕が下
君は泣きながら僕の首筋に
尖った八重歯を食い込ませた
痕が1週間は残るんじゃないかと
思うほどの痛みが伝わる
でも耐えることしか出来なかった
涙で湿気が多くなった寝室で
聞こえる音は君が鼻をすする声だけ
身体中に君の熱を感じて
君の涙が僕に落ちて
僕は君に抗う事が出来なくなった
小さな寝室がこの世界の全てで
その寝室のドアを開けて
外に広がるのは永遠に続く闇で
ここにだけ
音があり、熱があり、
命があるのだと、そう思った
涙の理由は分からない
ただ「愛しいの」と
君はそう言った
だがそれで十分だった
泣き疲れた君は
衰弱していくように
ゆっくり目を閉じ眠りについた
君が眠るのを見届けてから
僕も同じように眠りについた。
翌朝、先に起きた僕は
キッチンに立って
君が起きた時のために
スープを温めていた
突然背後から抱きしめられて
君が起きてきた事を知った
「すきよ」
夕べの涙のせいで
少し鼻にかかった声で
君がそう言った。
全ての始まりにして
全ての終わり
僕にとって君こそが
世界そのものなんだと
そう思った。




