第九話
みんなただいま!田舎から帰ってきたよ!
そしていつもどおり短いよ!!
俺は隣を歩いているフィリアスを見る。長いマフラーのような物を巻き、それを揺らしながら歩いている。やはり無表情という言葉が合うような顔をしていた。ぼーっとしたような目つき、そして可憐で無垢な顔。おそらくこのままルクサリオに残っていたら雑誌のモデルの表紙は飾れただろう、それほど可愛い。
彼女の志望職業は断罪者。俺が選んだ暗殺者と同じく闇の職である。しかしこの職業は暗殺者とは違い、ちゃんと許可をとり人を殺しに行くのである。政府から重犯罪者や異端者のリストを発行しれもらいその中から選び始末するか、政府が断罪者に依頼し犯罪者を狩ってもらうのだ。暗殺者と同じく人を殺すことを生業としているのだ。
もう一度フィリアスの顔を見る。こんな美しい少女が断罪者か。人は見かけに寄らないと言うしな、例えばうちのリズ先生である。
「あれ欲しい」
突如フィリアスが指を指したのはサンドイッチだった。真っ白なパンの間には動物の肉と新鮮な野菜が挟んであった。屋台でおじさんが売っていた、値段は妥当な価格だった。
「俺に買ってこいってこと?」
「うん」
んなバカな。貴重なお金、多少多めにもらっているがそれでも大事なお金である。それを屋台の食べ物で使うだなんて。
「ねぇ買って?」
「わかりました!」
そんな上目遣いで言われたら断れない。
俺はなぜにここまで女性に弱いのか。
フィリアスは嬉しそうに屋台のおじさんからサンドイッチを受け取り嬉しそうにそれを見る。俺は財布からお金を出し払う。おじさんからカノジョさんに奢るのは当たり前だよ?って言われたけど彼女じゃないからね。
「食べる?」
そう言ってサンドイッチを差し出してくる。こ、これは俗にいうあーんって奴なのでは、ってか間接キスとか気にしないの!?などという葛藤が頭の中で行われる。フィリアスは何がなんだかわからないような顔をしている。
「い、いただきます」
あおう言って口を開け、フィリアスにサンドイッチを口に入れてもらい味わいながら食べる。サンドイッチはおいしかった。ちらりと彼女を見ると何も気にせずサンドイッチを頬張っている。
あれ、これって本当にデートなんじゃないのか?
サンドイッチを奢って、あーんして食べて、俺ら二人って闇の職なのに結構まったりしているなと思った。
その後俺たちは街を散策した。
主に服と生活必需品だった。フィリアスは始終何かを口に入れていた、もちろん支払いは俺だ。お金は多めのもらっていたので底はついていないが人一倍使ったと思う。
ちなみにほかの人たちは・・・
フランク&リーナ
ブルーム&レイン
以上の組み合わせで市内観光してました。
この組み合わせ……意味わかるよな?