93 ヤヒスダンジョン⑧
ダンジョンの最下層にいたドラゴンは、人間の少女の姿となり、旅に同行することになった。
それとは別にヤヒスは折れた大剣が転がっているのを見つけた。
ヤヒスは大剣をのぞき込んでいる。
「それを結合しようってわけ?」
ヴィーシャも興味を持っているようだ。
「うん、なにか特別な物かと思って」
ヤヒスの答えにヴィーシャが返す。
「たとえ結合したとしてもこんな大きなもの、私もあなたも扱えないわよ。
「うーん・・・まぁ取りあえず、結合!」
折れていた大剣は光り輝き一振りの大きな剣になった。
「とりあえず性能を見てみましょう」
ヴィーシャはツールレンズを取り出して剣を鑑定している。
「攻撃力4000、耐久度6000、化け物みたいな剣ね」
そう言ってヴイーシャは剣の柄を握り思い切り力を込めた。
だが剣を持ったまま後ろにひっくり返ってしまった。
「・・・なにこれ、羽のように軽いわ」
ヴィーシャは片手で剣を掲げた。
「なにそれ、そんなに軽いの?」
ヤヒスはそう言うと剣をヴィーシャから受け取った。
「うっわぁ!!」
ヤヒスは剣の重さでひっくり返っている。
「お、重い~~~」
「これは・・・インテリジェンスソードですね」
ミードリが剣を見つめて言う。
「インテリジェンス?」
パムがミードリに問う。
「インテリジェンスソードは意志を持ち、持ち手を選ぶのです、一番最初に柄を手にしたヴィーシャが持ち主に選ばれたようですね、この場合自分に軽く相手に重いと言うことになっているのでしょう」
ヴィーシャは自分の身長と同じくらいの長さで分厚い両刃の剣を片手で振り回している。
「なんだ、そこの剣はそんなに珍しいものだったか」
フィスは何のことは無いと言う感じで喋っている。
「この剣はどこから来たんですか?」
ミードリはフィスに問いかける。
「知らん、ワシがここに来た時にはすでにあった」
「さて、ここにある財宝をどれだけ持ち出しても構わんぞ、良い金になるだろう」
フィスがそう言うと、全員渋い顔をした。
「財宝はここまで来るのに散々拾って来たよ、重すぎるし少し置いてきたぐらいだ」
ヤヒスがフィスに説明する。
「それよりフィスがいなくなった後はボスが出なくなっちゃうからいいの」
パムが疑問を口にする。
「マスター」
「何だいヤー」
「ボスは自動湧きになっております、ドラゴンにはかないませんが十分に強力な魔物が配置されます」
「なるほど、ダンジョンも色々大変だね」
ヤヒスはそう言うと荷物をまとめ、全員に出立する旨を提案した。




