91ヤヒスダンジョン⑥
ヤヒスダンジョンに潜って44日目、ついに最下層に到達した、広大なフロアに幾本もの柱がそびえている。
そのフロアを歩いて行くと急に開けた場所に出た。
「やっぱりコイツでしょうね」
とヴィーシャ
「ああ」
ヤヒスは目の前の敵を見据えている。
ミードリはロッドを構えて準備する。
パムはありったけの支援魔法を全員にかけた。
目の前には赤色をしたドラゴンがうずくまっている。
ドラゴンは首を持ち上げ四人を見下ろす。
「人間か、良くここまで来たな、死にたくなければ帰れ」
しばらく時間が過ぎたあと、ドラゴンが首を前に出した。
「剥離」
ヤヒスのスキルでドラゴンのウロコは全てはじけ飛んで、フロアに転がった。
その後ドラゴンがうめき声をあげて暴れ出した。
「ヴォオオオオオオ!!!」
ドラゴンのウロコを剥がすことは、人間の皮膚を剥がれるのと変わらない、激痛だろう。
四人はその場から駆け出して、暴れるドラゴンの衝撃で落ちる天井や、倒壊する柱を避けていた。
「ミードリ!火炎!」
ヴィーシャが叫んだ後ヤヒスがそれを制止する。
「まって!」
「ヤヒスさん!今がチャンスですよ!」
ミードリはロッドを構えたままの姿勢でいる。
「考えがある」
ヤヒスはそう言うと数歩前に出て叫んだ。
「結合!」
ドラゴンのウロコは一瞬にして元に戻り、ドラゴンは横たわったままぜぇぜぇと息をしている。
「どうすんのよヤヒス!」
ヴィーシャが駆け寄って来る
「コイツは死にたくなければ帰れといった、殺す気はないってことだ、それに喋れる、知能が高い、話し合いができる」
ドラゴンは起き上がって言葉を発した。
「何をした・・・」
「まず最初に剥離のスキルでウロコを剥がした、次にお前が痛そうだったので結合のスキルで元に戻した」
「・・・お前、名は」
ドラゴンが話し掛けてくる。
「俺はヤヒス、こっちはヴィーシャ、ミードリ、パム、冒険者だよ」
ヤヒスが答える。
「ワシの名はフィス、炎龍だ、なぜワシを殺さなかった」
「最初にお前が帰れば殺さないと言った、無駄な殺生を嫌い知性が高い証拠だ、話しあえると思った」
ヤヒスがそう言うと、ゴドンはヤヒスに顔を近づけてきた。
「面白いヤツだな、うん・・・?」
フィスは目を細めて言った。
「お前はこのダンジョンのマスターではないか、早く言え」
「ああ、そうだけど何か問題があるか?」
ヤヒスがそう言うとフィスは口を開いた。
「ワシはお前の配下にあるのだ、さぁマスター、ワシに何を望む」




