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87 ヤヒスダンジョン②

ヤヒスダンジョンを降っているヤヒス一行だったが、1フロア目はそこらで見かけるような低レベルな魔物ばかりである。


「最初のフロアは大したことないけど、すごく広い部屋と細い通路とぐちゃぐちゃね、それと時間がまるで分らないわ」

ヴィーシャが疲れた様子でそう言った。


「ねぇダンジョンさん」

「お呼びでしょうかマスター」

「まずなんて呼べばいいの」

「ご自由に呼称いただければ」

「うーん・・・ヤヒスダンジョンのヤを取って()()で」


「承知いたしました」

「それで今の時間は」

ヤヒスがそう言うとヤーは真夜中の時間を告げてきた。


「うぇ!?真夜中じゃないの、通りでお腹空いたと思った」

ヴィーシャがしゃがみ込んだ。


「ヤー、どこか食事と睡眠に適した場所は無いかな」

「宿泊形態に移行」


そう聞こえたあとに石壁がこすれるような音がしばらく響いたと思ったら、階段の途中に入口が出現した。

ヤヒスがおそるおそる中を覗くと灯りがともされ、リビングを中心とした部屋に複数のドアが見えた。


「大丈夫そうだよ、皆入りなよ」

ヤヒスはそう言うと中に入って行くふと見るとテーブルに四人前の食事がととのい、湯気を上げていた。

全員入ると入口が閉じた。


「ヤーこれはどういうことなの?」

「管理者権限です、マスターはこのダンジョン内においては、衣・食・住が完全に保証されます」


「あー!お風呂湧いてる!」

ヴィーシャは声をあげて喜んでいる。

パムはソファーを叩いて座り心地を確かめている。


「食事まで出るなんて・・・」

ミードリは驚いている。


とりあえず全員リビングに集まり、食事を前にした。

「これ・・・食べて大丈夫なの?」

ヴィーシャが目を細める。


「ヤー、食べても大丈夫な食事なの」

ヤヒスが質問をする。

「はい、地上で調理されたものを拝借して時間凍結しておりますので、いつでも出来立てが食べられます」

「拝借・・・まぁいいや、深く考えないようにしよう」

全員それにうなづいた。


「これおいしいわよ、いいとこのを持ってきているのね」

ヴィーシャがつぶやく。

「パンが上等なものだね」

パムはパンをむしりながらそう言った。


「これ・・・ここに住めばもう何もいらないんじゃ・・・」

ヤヒスがぼそりと口にすると全員黙ってしまった。

「言わないように言わないようにと思っていたのですが」

ミードリが笑いながらそう言った。


食事が終わると、全員順繰りに風呂に入り、気ままに寝室に入り就寝した。



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