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85 ザッバーグ国⑤

砂の魔物、サンドマンを倒し、魔石を手に入れたヤヒス達は寺院から出てチヌックに乗りザッバーグに戻った。

その足ですぐさま冒険者ギルドへ向かい、サンドマンの存在とそれがしゃべった内容を受付嬢に伝えた。


「その話ですと、各地に中級の魔物が居座って、下級の魔物を解き放っていると言うことになりますね」

「そうです、一刻も早く各地に警戒と探索をするように連絡を、いや、ここがこうなっていた以上はもうすでに気付いている国もありそうですね」

ヤヒスは顎に手をやって言った。


「とにかく私たちはソヴィリバーレに戻ってギルドに伝えることにするわ」

ヴィーシャ扉の前で足を踏み鳴らしていた。


ヤヒスが手続きを済ますと、さっそく荷物をまとめて街道に出て、離れた場所からチヌックに乗った。

「チヌック、夕暮れの飛べるギリギリの明るさまで飛んでくれないか」

「はっ、我が主」

ヤヒスとチヌックはやり取りしている。


その日は薄暗い中で森の中にチヌックをおろして野宿をした。

「魔物が組織を組んでいるってのが明るみになってきたわね」

ヴィーシャはお茶を飲みながら言った。


「今回のサンドマンは危なかったですね、魔法も物理攻撃も効果が無いなんて」

ミードリがロッドを握りしめながらつぶやく。


「本来はどうやって倒すのが正解なんだろう」

ヤヒスが疑問を抱いている。

「図書館で調べるしか無いわね、あとギルドで聞くとか、」

ヴィーシャは曇った顔をしている。

「イエールが冒険者は耳が良いことも大事、情報を得ることだって言っていたけど本当だなあ」


その日は明日に備ええて早めに寝ることにした。

翌朝、一行はまだ太陽が昇りきらない頃からチヌックに乗って東へと飛んで行った。

昼前にソヴィリバーレに到着し、一番先に冒険者ギルドへ向かった。


ギルドに入り、ザッバーグ国で起こったことを、仔細漏らさず報告した。

しばらくするとギルド長に呼ばれ、二階に入った。


「座ってくれたまえ」

ギルド長にそう言われ全員着席する。


「何でも魔物は幹部などと言っていたそうだね」

ギルド長は良く通る声で言った。

ヤヒスがそれに答える。

「はい、その通りです、それに対策するなら急いだ方が良いとも」


「魔物がアドバイスをくれたのですか?」

とギルド長が眼鏡をずらす。

「はい、個人的には早晩にも人間側が気付くこと、魔物の進行が早いことからしゃべったとしてもかまわないと思ったのではないかと」

ヤヒスが考えを述べる。


「私も同感だ、これはもはや冒険者ギルドだけの問題では無いようだね」

ギルド長はそう言うと椅子から立ち上がった。


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