83 ザッバーグ国③
ザッバーグ国に到着した翌日、ヤヒス達はさっそく魔物を狩ることにした。
最初は都市から一番近くに出没するサンドシャークに狙いを付けた。
「ギルドの方の話しだと、砂が盛り上がって背びれが見えると言っていましたね」
「背びれにはほとんどダメージが乗らないとも言っていたわ。
ミードリとヴィーシャが会話している。
出没地点をうろついていると、砂をまきあげて近づいて来るものが見えた。
「あれかな?」
ヤヒスはそう言って剣を抜いた。
パムは支援魔法とシールドを全員にかけた。
ヤヒスはヴィーシャの剣に結合スキルを使う。
「結合!ダンスソード!」
ヴィーシャは剣を砂に突き立て、寄って来るサンドシャークに剣撃を飛ばす。
砂の中を疾走する剣撃はそのままサンドシャークを切り刻み、その身体は地上に吹き上がり、塵となって消え、魔石が転がった。
ヤヒスの方も自分の剣にダンスソードの属性を乗せて、別の方向から向かってくるサンドシャークに攻撃を加えた。
結果はヴィーシャと同じだった。
サンドシャークはどんどん集まって来るが、どれも同じ方法で倒していく。
それなりの時間が経過するとサンドシャークは現れなくなった。
「何体倒したの?」
ヴィーシャがミードリに聞いている。
「32体ですね」
「知らないうちにかなり倒したわね」
魔石を拾い、しばらく様子を見ていたが、魔物は現れなかった。
「全滅したのかな」
ヤヒスが言うとヴィーシャが答えてきた。
「警戒して出てこないのかもね、また明日にしましょう」
四人は都市に向かって歩き出した。
「作戦が完全に当たったわね、ほとんど単純作業よ」
ヴィーシャが歩きながらこぶしを握り締めている。
「ダンスソードの属性はかなり使えるんだよなぁ、また買って魔石を補充しないと。
ヤヒスは魔石を転がしながら答える。
冒険者ギルドに顔を出し魔石を提出する。
「こんなにたくさんの魔石を、すごいですね」
受付嬢が驚いている。
「全滅させたかもしれないけど、打ち漏らしがあるかもしれないからまた行ってみるわ」
ヴィーシャはそう言うと報酬を受け取り全員で外に出た。
市場の外れにある屋台で四人は食事をしている。
主な食事は羊肉と薄くて大きなパン、乾燥フルーツだった。
「この乾燥フルーツが疲れにかなり効果があるんだって」
ヤヒスがそれを食べながら言った。
「そうなの?安くてたくさん見かけるからありがたいわ、味も悪くない」
ヴィーシャもそれを手にして口に入れる。
魔石に光が灯り夕刻を告げる景色になってくる。
四人は宿に向かい早めに就寝した。




