82 ザッバーグ国②
ザッバーグ国へ出向いてのクエストを受けたヤヒス達は、チヌックの背に乗り、移動していた。
「チヌックで移動して二日か、本当に遠い国なんだな」
ヤヒスは風にあびて目を細めながら言った。
地表は緑がだんだん薄れてきているので、砂漠が近いことは確かだった。
夕暮れになったので地表に降りて野宿をすることにした。
「ザッバーグ国はどんな国なんでしょうね」
ミードリが地図を見ながら言った。
「何でも複数の部族が集まって出来た交易の中継都市らしいわ、西から来る品物はだいたいこの国で一度おろされるらしいの」
ヴィーシャが欲し肉を食べながら言う。
「ふーん・・・いろいろな国があるんだな、地面を見ても砂が混じってきているからもうそう遠くないんだろうね」
ヤヒスは寝転がって会話に混じる。
その日はそのままなんとなくぼんやりと過ごし、誰ともなく床についた。
翌朝、またチヌックに乗り半日ほどとんだところで、チヌックがヤヒスに話しかけてきた。
「主、ザッバーグ国が見えてきました」
「どれだろう、うーん良くわからないな」
ヤヒスがそう言うとミードリが話に加わる。
「鷹の視力は人間より良いですから、私達が視認できるのはまだ先でしょう」
その内ヤヒス達の視界にも、建物が目に入り、適当な場所でチヌックから降りた。
「脚が砂に取られて歩きにくい、熱い・・・こんなクエスト受ける人がいないのが分かるわ」
ヴィーシャが不満をこぼしている。
やがて城門が見えラクダや馬が大勢並んでいるのが目に入った。
「すごい光景だね」
パムがそう言うと、ミードリが答えた。
「ここでラクダを取り替えたり、馬に乗り換えたりするそうですよ」
「へぇ、おもしろいなぁ」
ヤヒスは辺りを見回している。
城門を超えて衛兵に冒険者ギルドの場所を聞いた。
ビルドは町はずれのさびしい場所にあり、中に入ってもそれほど多くの冒険者は見られなかった。
ヤヒスは受付に顔を出すと、ソヴィルバーレからの推薦でここに来た旨を話した。
「遠い所から助かります、お聞き及びかと思いますが魔物が活発化しておりまして、手を焼いている状態なのです。
「どう言うクエストが中心なの?」
ヴィーシャが話し掛けると、受付嬢はクエストの大まかな内容を話し始めた」
「サンドシャーク、サンドウルフ、マジックローブなど魔法を使う魔物が増えております」
「魔法か・・・厄介ね」
ヴィーシャがつぶやく。
「魔物以外にも交易小隊を襲う盗賊などもおりますので、そちらもよろしくお願いできれば・・・」
受付嬢は申し訳なさそうな顔をした。
「より取り見取りね、分かったわ、出来るだけやってみる」
ヴィーシャはそう答えた。




