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79 ワーウルフ事件②

王都に出没しているワーウルフの討伐依頼を受けたヤヒス達は、まず冒険者ギルドで出没ポイントを地図に記してもらっていた。


「ここ、ここと、こちらもですね」受付嬢がポイントを書き込んでいく。

「てんでバラバラですね・・・」

ヤヒスがそう言うと受付嬢はそれに同意する。

「そうなんです、これだと次の出現ポイントを絞るのが難しくて」


「襲われた冒険者のリストはあるかしら」

ヴィーシャがそう言うと走り書きのような用紙を見せてくる。

「・・・あえて上級冒険者を襲っているように見えるわね」

「そう言えばそう見えますね」

ミードリが用紙をのぞき込む。


「さらに条件が無いか絞ってみましょう」

ヴィーシャは顎に手を当てて用紙を見つめる。

「僅かな差だけど魔法使いを多く登用している、パーティーを選んでいるように見えなくも無いわ」


「それはそうだろう、魔力を吸うんだから魔力が高い冒険者を狙うよ」

ヤヒスは当たり前だと言うように言った。


「見かけで魔力量を判断することはできないわ、コイツはおそらく魔力感知のスキルを持っている」

ヴィーシャがそう言うとミードリが返事をする。

「では、私が魔力を解放して夜の街を歩いていればそれを狙ってくる可能性がある、と」


「作戦としてはそんな所ね」

ヴィーシャは用紙をトントンと叩きながら言った。


夜半の裏通りをミードリが魔力を解放して歩いている。


他の三人は後ろから隠れながらついて来ている。

「なかなか現れないな、今日は出ないんじゃないのか」

ヤヒスが心配そうにする。

「この犯人は出現場所に規則性はないけれども、出現していた時間帯は几帳面に同じなのよ」

ヴィーシャが街路を進みながら答える。


しばらく進むとミードリの歩みが止まり、反対方向に駆け出してきた。


「来たわ・・・」

ヴィーシャはつぶやき、ヤヒスは物陰から出る。


四人が合流すると人間より二回りほど大きく、口が伸びたシルエットが歩いてきた。

ワーウルフだ。


「冒険者だろう?俺を捕まえようったって無駄だぜ、全員の魔力を吸いつくしてやる」


そう言ったかと思うと口を大きく開けて何かを吸い込んでいる。

ミードリはロッドを落とし膝をついた。

「魔力が・・・」

彼女はそうつぶやいた。


「ふーん・・・これで勝てると思っているの?」

ヤヒスが歩み出てくる。

「何だと・・・」

ワーウルフはカンに障ったと言うような表情を見せる。


暗い裏通りの下でヤヒスは右手を上げた。

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