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78 ワーウルフ事件①

ヤヒス達はワアイの町でバカンスを過ごすと、真っ直ぐ王都に戻っていた。

城門をくぐろうとしていたところに、衛兵が数人押しかけて来た。


「冒険者ヤヒスとその一味だな!?衛兵詰め所に来てもらうぞ!」

「え?」


ヤヒス達は衛兵に囲まれて詰め所まで歩かされている。

「あの、何があったんですか?」

ヤヒスが問うと衛兵は詰め所で話があると言ったきり黙ってしまった。


詰め所に入れられて机に座らされると、衛兵の一人がこう言ってきた。

「ここ毎晩出現している魔力を吸うワーウルフは、お前だろう!お前がワーウルフになったとの証言がいくつも寄せられている」

「ああ、あの武闘会の」

「そうだ」


衛兵は顔を寄せてくる。


「しかし俺たちはワアイの町にいて王都にはいませんでしたよ」

「みえすいた嘘だろう、なら証拠を出せ!」

「ちょうどロックヘッドシャークの討伐依頼があったので討伐して来ましたから魔石があります。」


ヤヒスは魔石を机に置いた。

「おい、ロックヘッドシャーク討伐依頼が冒険者ギルドに出ていたか?」

衛兵はすぐ後ろの男に声をかけた。


「はい、確かに出ていますね」


「これで証拠になるんじゃない?」

ヴィーシャは魔石を指で転がしながら言った。


「うむ、確かにそうだ、だが決定的な証拠がまだ出ていない」

「ええぇ・・・」ヤヒスがあきれた顔をする。


「悪いが、拘置所に入ってもらって、その間にワーウフルが出現したら君が犯人ではないと認めよう」

「たしかに、理屈ではありますね」ミードリは納得しているが、パムは渋い顔をしている。


「で、このかび臭い湿った部屋で寝るわけね、野宿より悪いわ」

「まぁ、今夜にでもワーウルフが出ればそれでサヨナラだから」

となりの部屋からヤヒスが声をかけてくる。


一夜明けると、昨日の衛兵がやってきて格子の鍵を開けた。

「すまなかった、昨夜ワーウルフが出現した、君たちの疑いは晴れたことになる。」


「はは、良いですよ、武闘会でワーウルフになった俺に疑いが向くのは当然ですし」

「ところでどういう事件なの」

ヴィーシャが話を聞く。


「あ、ああ、夜に出歩いている魔力の高い冒険者や市民を襲って、魔力を根こそぎ吸うのだそうだ、殺されはしないので被害者に事情を聞けるので、聴収すると全員がワーウルフだったと証言したよ」


「それ、冒険者クエストに出ているの」

ヴィーシャが聞く

「出ているさ、返り討ちだったがね」

「じゃあその依頼私たちが引き受けるわ」

彼女はそう言うと衛兵を指さした。





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