76 ワアイの町③
海辺のリゾートワアイは海にロックヘッドシャークが出没するため。
観光客は誰もおらず開店休業の状態だった。
ヤヒス達はロックヘッドシャークを討伐し、報酬として、無料で滞在できることになった。
「最高級の水上コテージよ!部屋は余るくらいだし、リビングのソファーも、ベランダの寝椅子も最高ね!」
ヴィーシャが歓声を上げている。
パムは寝椅子に寝そべり海を見ている。
「海ってどこまで続いているんだ・・・」
ヤヒスはベランダで水平線を眺めている。
「私は魚料理が楽しみです、川魚しか食べたことが無いので。
「良く考えたら全員海は初めてで、海の魚は初めてなんじゃないの?」
ヴィーシャが疑問を投げかけると全員うなづいた。
「じゃあ全員ベランダに出て横一列に並ぶのよ」
ヴィーシャの意図は、はかりかねるが全員横並びになった。
「となりの人の手をつないで」
ヤヒスはヴィーシャとパムの手をつないだ。
「せーのでジャンプして歓声を上げるのよ!」
「「「「せーの!!」」」」
「「「「イエーーーイ!!」」」」
全員でジャンプして着地すると体制を崩してしまった。
「いたたた・・・フフフ・・あはははは」
ヤヒスが笑うとみんな笑った。
夕食の時間になるとレストランに向かう。
魔石が輝いて美しい光景である。
レストランに入ると、海が見えるひときわ大きいテーブルに案内された。
しばらくすると初老の男性が現れて頭をさげた。
「私はこのワアイの町の町長です、シャークを退治いただけたことをまことに感謝しております」
「いえ、こんな豪華なもてなしをしていただいてこちらこそ」
「このようなことでしたらいかほどでも、正直なことを申しますと、観光客が10人も訪れれば十分なことですので、さあ、料理をご堪能ください」
海鮮料理が次々と運ばれてくる。
「この、赤いのすごくおいしいわ、揚げた魚も最高!」
ヴィーシャは満面の笑みである。
「カニって言われたかな、これ美味しすぎるよ」
ヤヒスはカニの身をほじりだして黙々とたべてる。
パムは小ぶりのエビをあとからあとから食べていく。
チヌックもテーブルに着き、魚をついばんでいる。
そうして夕食の時間が終わると、そまま風呂に入りに行き、夜の海岸をぺたぺたと歩いて桟橋へ向かい、水上コテージに入った。
いつの間にか果実ジュース大瓶が置かれており全員でそれを飲む。
「ぱー、湯上り就寝前には最高だね」
ヤヒスが言うと、口々にしゃべりだす
しばらくすると全員が寝室に向かい眠りについた。




