8 風呂
パーティーハウスには寝室が5部屋あった。
ツインタイプの主寝室と、シングルタイプの部屋が4室ある。
「個室で寝られるのは久しぶり、ありがたい」パムが部屋を見て言った。
「村では藁のベッドだったのですごくうれしいです」
「苦労されていたんですね」とミードリはヤヒスに話し掛ける。
「本当に感謝しているわ、宿代を抜けばミドルアントの討伐で貯金をする余裕が出来るわ」
ヴィーシャはヤヒスに話し掛ける。
「お風呂あるの、嬉しい」パムが嬉しそうに言った。
「そうよね、これで毎日お風呂に入れる!」
ヴィーシャはそう言って腕を叩いた。
一番風呂はヤヒスが入ることになった、
(これが風呂か、身体が溶けて行くみたいだ、村では水浴びか身体を拭くだけだったからな)
そう思いながらサボンで身体を洗い、風呂を出た。
「お風呂でたよ、次は誰が入るの」
「私の番です、棒倒しで私の方に倒れたので」
ミードリは嬉しそうに笑うと。
風呂に入って行った。
次はパムの番で、最後はヴィーシャになった。
「リーダーの私が最後なんて納得いかないわ」
それでも嬉しそうに風呂に入って行く。
夕飯は「いつもの店」ではなく、少し高級な店に入った。
「このホーンポークの焼いたの美味しいです」ミードリは嬉しそうに食べている」
「サーモンもおいしわ、隠し味が効いているみたい」ヴィーシャは丁寧に食べながら話す。
ヤヒスは「キノコとハーブのパスタ」を選んだ。
村では良くキノコを食べていたので好物だからである。
全員満足げな様子で帰路についた。
「帰宅した、パーティーホームに」
パムはほよほよした様子で、ホームが出来たことを喜んでいるようだ。
夜は全員でカードゲームをして遊んだ、初めてゲームをするヤヒスが負けてしまった。
「初めてだから当然よ、なんども繰り返せば勝てるようになるわ」
ヴィーシャは明るい顔で言った。
その後、今日はお開きとなり全員が自分の寝室で眠りについた。
(あの人たちとパーティーが組めたのは幸運だな、みんないい人だし)
ヤヒスはそう思いながら眠りに落ちた。
翌朝、ヤビスはいつものように6時に目覚めるとリビングに降りてきた。
まだだれも起きていない。
トイレに行き、洗面をすますとやることが無くなったため、昨夜遊んだカードゲームの組み合わせや、上手なカードの出し方を研究する。
しばらくしてミードリが階段を降りてきた。
「おはようございます」ヤビスは朝の挨拶をする。
「おはようございます」返事が返ってきた。
次にパムが起きてきて、最後はヴィーシャだ。
「朝は弱いのよね」
彼女は薄目を開けて洗面所に入って行く。
全員が朝の支度を整えると朝食をとるために「いつもの店」に向かった。
朝は少し混んでいたが、席は空いていたのでパンに野菜とチーズをはさんだもの、を全員分注文するとすぐにテーブルに運ばれてきた。
「これはね、サンドって言う食べ物なの」ヴィーシャがヤビスに説明をする。
「サンドは村でも食べていたよ、何しろ素材を育てていたからね」
ヤヒスはにこにこしながら言う
「あら、私たちが支えられていたことになりますね」ミードリは笑顔でそう言う。
そして新たな1日がはじまる。
ヤビスは良い日の予感がしていた。