表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

74/271

70 魔王軍の出城①

ヤヒス一行はチヌックの背に乗って空を飛んでいる。

地上を見下ろしてスピードを出して疾走するのは気持ちの良いものだ。

途中、地表に降りて昼食にする、チヌックはどこかに獲物を探しに行った。


準備が出来たら再び上空に戻り、ヤビスの生まれ故郷であるビソル村に向かった。

夕暮れ時には村のはずれに降り立ち、チヌックを鷹の姿に戻し、肩に乗せ、村に歩いて来る。


村が近づくと村民の誰かが気付いたようで走り寄って来る。


「おーーーいヤヒス!!」

「ボッコのおっちゃん!!」

「久しぶりだな、一年ぶりぐらいか」

「黄昏だっけか、パーティーのみなさん、お世話になってます」


ボッコのおっちゃんが挨拶をすると、銘々に頭をさげる。


「今日は泊って行くんだろう、なにかクエストかい?」

「魔王軍の出城を叩きに行くんだ」

「魔王軍!大丈夫なのかね」

「俺たちも成長したんだから大丈夫だよ」

「それならいいが・・・」


パーティーの全員がボッコのおっちゃんの後についてきて、ヤヒスの家に到着する。


「奥さん、ヤヒスが帰ってきたぞ!!」

ボッコのおっちゃんが叫ぶと母親が出てきて驚いた顔をする。

「帰るんなら手紙をくれればよいのにねぇ」

「急に決まったことなんだ」


そんなやりとりの中、パーティーの全員が家の中に入る。

今日は世話になること、全員元気にやっていることなど、ヴィーシャが説明した。


「でも、魔王軍の出城となると大変そうだけど・・・」

「お母さま、ヤヒスはこの一年で驚くほど強くなりましたし、各地のクエストで、感覚が鋭くなりました、心配いりません」

ヴィーシャがリーダーらしいことを言った。


夕食になり、田舎料理に満足すると全員早めに就寝した。

翌朝、母親から昼の弁当をもらい出立した。


「弁当って、ピクニックじゃあないんだから、母さんも変なところあるよなぁ」

ヤヒスがそう言うとヴィーシャが答える。

「あら、干し肉や携帯食なんかよりはずっといいわ、親心よ」


しばらくチヌックで飛ぶと、前方に岩で築かれた建物が見えてきた天頂に旗がさしてある。


「間違いないわ、あの旗はギルドで見せられた魔王軍のものよ」

ヴィーシャは振り向いて全員に言った。

「出城の形状は報告にあった通り、作戦通りいくわよ、そう言うとチヌックは出城に向かって急降下していった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ