66 これからの旅路
チヌックをリュックに乗せて街へ近づいて行くと彼はヤヒスに言った。
「私は近くの森にて待機しております、旅路の際はまたこのように合流しますゆえ」
「俺たちが出て来たことは分かるの」
「はい、私と主は糸のようなものでつながっておりますゆえ」
「じゃあ、そのようにたのむよ」
「はい」
そう言うとチヌックは飛び去って行った。
一行はそれを見送り、街に入り、食堂に向かった。
「ふー・・・ヤヒスのスキルは本当にわからないことだらけね」
ヴィーシャは肘をついて話す。
「そうだね、俺も無意識の行動だったからさ」
ヤヒスはそれに返して食事を進めている。
「魔法でも危機的状況の時は無意識に発動するような感覚がありますが、そのようなものでしょうかね」
ミードリは心当たりがあるようだ。
「熱いものを触った時に、反射的に手を引くような感じかな」
パムが分かりやすい例えを出してきた。
食事を終えて、ギルドへ向かい魔石を提出する。
「ミードリ、今の収支はどのくらいになりそうなの」
ヴィーシャがゴールドのやり取りを聞いてくる。
「プラスですね、ヤヒスさんのヘキサの欠片が大きく影響しています」
「バルドルドに感謝しないとなぁ」
食事を終えた一行は、宿に戻り明日のことを検討する。
「ここら一帯での戦闘スキルの向上はここで頭打ちだと思うの、お金を消費するだけで、実入りが少ない」
「じゃあどうするの?」
ヤヒスが困ったような顔をする。
「明日帰るわ」
「やっぱりか、俺、宿のおじさんと馬車を預けているところに話を付けてくるよ。
ヤヒスはそう言って宿を出て行った。
「良いのですか?予定より大分早いですよ」
ミードリがヴィーシャに話し掛ける。
「良いのよ、何事も効率と臨機応変さが重要だと思うの、先へ進むか撤退するか、戦闘と同じね」
ヴィーシャは段々リーダーらしくなってきているようだった、彼女は決断力があり、物おじしない、それでいて常に考えている、リーダーの素質があるのだろう。
「戻ったよー」
ヤヒスが部屋に入ってきた。
「おじさんはこころよく受け入れてくれたけど、馬車の所は話がこじれそうになったけど、コレを出したら受け入れてくれたよ」
ヤヒスは「ヘキサの欠片」を見せてくる。
「本当に使えるアイテム、感謝しないと」
パムは顔を伏せている。
「そうしてみると、王都付近ばかりじゃなくて遠出するのは得るものが大きいわね」
ヴィーシャはそう言って壁にもたれた。




