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59 ロックコッカー

「第八坑道」と書かれた横穴の前に四人は立っていた。

脇にはDランクパーティー以下は入ってはならない旨が書かれた看板がある。


「第八坑道・・・これっていくつくらいあるんだろう」

ヤヒスは横穴を見つめながら言った。


「昨日調べてみたのですが、300以上あるそうです」

ミードリがサラッと答えたが、他の三人は驚愕の表情をした。

「「「300!?」」」


「すごい数ね、2桁台だと思っていたわ」

ヴィーシャは口をぽかんと開けてそう言った。


「それなら坑道の一個や二個使えなくても良いのに、なぜ冒険者にゴールドを払ってまで討伐を依頼するんだ?」

ヤヒスが口にした言葉に、パムは激しくうなづいている。


「それは坑道が一日使えないだけで少なくない損失が出るからです、つまりは冒険者にゴールドを支払う方が安くつくと言うことですね」

ミードリがそれに答えを返した。


「さすが工業の国と呼ばれているだけはあるわね、うん、とすればここの鉱山の運営次第で他の国も運営が左右されると言うことね」

ヴィーシャは納得している。


「その通りです、ですからこの国と戦争をしようと言う国はありませんし、どの国も友好的に交易をしています特にソヴィリバーレは立地も近く、農業生産物との交易で最も親しくしている国だと言えますね」


ミードリの知識に感心しながら坑道に入って行く。

中には何組かの冒険者がクエストを行っていたが、それを避けて奥まで進んだ。

角を曲がったところにちょうどロックコッカーの群れがいて、出くわす形になり、魔物は襲い掛かってこようとした。


ヤヒスは前に出て右手をかざすと叫んだ。

「剥離!」

ロックコッカーの外皮である石が全ての個体から剥がれ落ちた。

魔物は叫び声をあげている、外皮をむしり取られるのだから痛いのは当然だ。


ヤヒスが下がるとミードリがすぐさま火炎魔法を放つ、以前の倍近い威力である。

魔物の群れは塵となって消えて、魔石が転がっている。

「剥離と火炎魔法の取り合わせはえげつないわね・・・」

ヴィーシャはそうつぶやいた後で言葉を付け加えた。


「うん、こう言う不意の出現やひとかたまりにいる時以外は「剥離」は使わないでおきましょう。

「前にも言っていたけどウデがなまるからなの?」

ヤヒスの言葉にヴィーシャがそうだと答える。


その後はロックコッカーの外皮の隙間を刺突で貫通させて倒す方法、最も石が薄い首沿いを斬撃で叩く方法などが取られて、順調に進んでいった。


コツをつかんだ一行は順調に討伐を進め、頃合いを見て坑道の出口に向かった。



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