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48 街道

ドルガン王国へ行き、新しいクエストを受けるために旅立ったヤヒス達一行は街道を歩いていた。

さすがに街道とあって、辺境に行く道筋とは違い、往来が激しい。

冒険者の姿もちらほら見かける。


「冒険者らしき一行を見かけるけど、皆装備がいいね」

ヤヒスが口に出すと、ヴィーシャが返してきた。

「当り前よ、ドルガン王国に行くのは最低でもDランクの冒険者、ランクが上がるともらえる金額も上がるから、装備を良いものにかえていくのよ」


「ヴィーシャも剣を変えればいいのに」ヤヒスはそう言ったが、ヴィーシャは不満そうに言葉を返してきた。

「前にも言ったでしょ、せっかくあなたが結合してくれたものなのよ、愛着があるわ、当分変えないつもりよ、それにね、この性能だとB級冒険者レベルの性能なのよ、下手な剣を買うよりよほどいいわ」


「私は買い替えるかも、もっと補助効果時間が欲しい」

パムは買い替える気のようだ。

「じゃあボロ市に行かないとな」

ヤヒスはそう言ってパムの方を見た。


その日は街道から入ったところにある廃屋で野宿をすることになった。

半分無くなってはいるものの、壁と天井があるだけマシである。

ガタのきたコンロもあるので、魔石を使ってスープを作る。

メインの食事はパンである。


「野宿用のパンは硬い」

パムがパンを食いちぎりながらつぶやいている。

「それは麦の種類が違うんだよ、高価で白いパンはおいしいけど日持ちがしない、このパンは硬くて重いけれど、すごく日持ちがするんだ、栄養価も高いんだよ」


「へぇ、さすが元農家だけのことはあるわね」

ヴィーシャが感心したような声を出す。

「ははっ毎日麦と芋のことを考える生活だったからね、麦が王都まで行ってみんなの食事になる、毎日働いて麦を育てて誰かの役に立つ、それが嬉しかったんだ」


食事をしながら談笑する一行は、以前よりずっと冒険者らしい雰囲気になっていた、歴戦の冒険者は空気でわかると言われている、まがりなりにもDランク冒険者になったヤヒス達は、少しは変わってきているのだろう。

夜は更けて就寝し、明日の歩みに備える一行だった。

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