41 闘技大会①
斧エピソードは加古の協議大会の位置が
抜けているために追加した項目です
「闘技大会に出るわよ!」
ヴィーシャが開口一番そう言った。
「闘技大会って?」
ヤヒスは訳が分からないと言った様子で答えた。
「あの闘技大会ですか」
ミードリは内容を理解しているようだ。
「近くこの王都で、Eランク冒険者パーティー同士で戦う催しがあるの、レクリエーションの意味もあるんだけど、優勝したパーティーはDランク昇級できるのよ!」
ヴィーシャは興奮気味に言った。
「目的は昇級だね」パムも意図を理解したようだ。
「でもEクラスの強いパーティーがたくさん出てくるんだろう、勝てるのかな」
とヤヒスが心配そうな顔をする。
「勝算はあるは、あなたがいるからね、あなたの持つスキル結合は強力なスキルだわ、はっきり言って敵なしだと思うの」
ヴィーシャはヤヒスを指さして言う。
ヤヒスはぼんやりと考えこみ、結合で魔物と融合する能力を思い出していた。
「じゃあ、参加してみようか、彼は何気なく答えた。
(負けてもランクが下がるわけでもないようだし、可能性にかけるのも良いかもしれないな)
そうこうしているうちに闘技大会当日になった。
特設リングがしつらえており、その周りには屋台もでており、人が大勢詰めかけていた。
(本当にレクリエーションみたいなものだな、良く見ると賭けが行われているな、黒板に白墨でパーティー名が書かれている。
ヤヒス達のパーティ名「黄昏」一番オッズが高く、期待されてないことが見て取れた。
黒板を見つめていると、イエールがやってきてきた。
「よぉ!ヤヒス!」
「イエール、見に来てくれたのか」
「おうともよ、だがただ見に来ただけとは違うぜ、儲けに来たのさ」
「ああ、賭けに参加するんだね」
「そうさ、黄昏にありったけつぎ込んだ!」
「僕たちに?一番人気が無いよ」
「なに一発勝負よ、それにな、お前たちを見ているとかなりやるようになった、他の奴ら知らねぇが俺は分かってるよ」
イエールはヤヒスの肩を叩き人込みに消えて行った。
控室に戻るとヴィーシャが暇そうにしていた。
「はやくはじまらないかしら、どうせ私たちの独壇場よ」
「すごい自信だね、オッズは僕達が一番高かったよ」
「皆あなたの凄さを知らないだけど、最もこの闘技会が終われば見方が全く変わると思うけどね」
ヴィーシャはヤヒスを見つめて笑った。




