45 剣の練習
パーティーホームのリビングに集まったヤヒス達はミーティングをしていた。
「魔石、と言うよりもヤヒスの結合スキルに頼りすぎていると思うの」
ヴィーシャは手のひらを組んで肘をついている。
「それは俺も思っていた、武闘会はほとんどスキルで勝ったようなものだ、スキルは個人が持つ特性だから実力の内ともいえるけど、今後の戦闘では素での強さが必要になると思う」
「同意」
パムが言葉を発する。
「あと、ヤヒスはショートメイスから剣に切り替えた方が良いと思うの、メイスは初心者で練習が無くても何とか使える物だけど、スキルの恩恵が受けにくいわ」
「でも剣なんて振ったこともないよ」
ヤヒスが困った顔を見せる。
「練習よ、しばらく冒険に出ないで裏門から出た所にある林で私が剣を教えるわ、一か月ね」
「一か月ですか・・・」
ミードリはため息をもらした。
翌日、ボロ市で木剣を二本仕入れて裏門から出た先にある林に向かった。
「腰が引けてる!バランスが取れていない!握りが甘いわ!」
ヴィーシャは手は抜いているものの、ヤヒスに軽く当てるように指導していた。
痛みが無いと覚えないからだ。
パムとミードリは二人でもこなせるクエストを消化して日銭を稼いでいる。
そうこうしているうちに二週間が経過した。
「ヤヒス、あなた剣の才能があるわ」
「え?全然かなわないのに」
「そこは一緒にしないで欲しいわね、あなたは体幹が強いわ、手首も強い剣の振り降ろしは形になってきているわ」
「農業やっていたのは何か関係あるのかな」
「ありそうね、肉体労働だし体幹と背筋が鍛えられているかもしれないわ」
「そうかぁ、農作業が無駄にならなくて良かった」
残り二週間はぐっと練習がきつく成った。
ヤヒスは朝から練習をして帰宅して食事を入浴を済ませるとすぐに眠ると言う毎日を過ごしていた。
ヴィーシャも似たようなもので、剣術を教える側も相当疲れるようだった。
「今の一撃はいいわ!その調子!」
ヴィーシャが剣の練習に付き合ってから一か月が経過しようとしていた。
その間にヤヒスはめきめきと腕を上げ、ヴィーシャとなんとか渡り合えるようになるまでに成長していた。
「ふぅ、これで練習はおしまいね、よく頑張ったわねヤヒス、これなら冒険に出ても大丈夫だわ、しかし本当に剣士の適性があったのね、おどろいたわ」
ヴィーシャが汗をぬぐいながらヤヒスに問いかけた。
「良くわからないけれど、途中からコツがつかめてきたんだ」
ヤヒスはそう返す。
「実戦でも気を抜かないで」
そう言って裏門から町に入り二人はボロ市に向かって行った。
「うーん、これじゃないわね、あっちの方がマシだった」
ヴィーシャは破損した剣を見て状態を確認していった、そうする中で、値段も手ごろで状態が良い、折れたロングソードが見つかった。
「これよ、これしかないわ」
そう言うとヴィーシャはそれを買い、パーティーホームにヤヒスと戻った。
パーティーホームのリビングに剣を置きヤヒスが手を構える。
「結合!」折れたロングソードは一つに繋がり輝きが増した。
「さて、状態は・・・」
ヴィーシャはツールレンズでロングソードの鑑定に入る。
「さすがね、ヤヒス、攻撃力プラス18、耐久400あるわ、私のと同じくらいの性能よ」
そう言われてヤヒスはロングソードを手に取って掲げた。




