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39 魔石の本

冒険者キャンプに入ってから数日が経過していた。

討伐はほぼルーティーンとなっており。

ウルフなどは結合スキルで簡単に倒すことが出来て、格好の獲物だった。

そして全員がレベルアップしていた。


「冒険者キャンプなんて言うから身構えていたけど、案外楽に進んでいるわね」

ヴィーシャは腕組みしている。

「結合スキルのおかげだね」パムはこちらを見つめて来る。


「全員の連携がかなり上がってきているからね、個人ではなくてパーティーのレベルも上がっているんだよ」


ヤヒスがそう言うと全員うなづいた。


そうこうしているとイエールが話し掛けてきた。

「ヤヒスのパーティーも調子いいみたいじゃないか」

「おかげさまでね、そっちはどう」

「ふぅ、ウルフのリンク攻撃が面倒でなぁちまちまやっているけども、今はなるべく戦闘を避けているよ」


(なるほど、それでウルフがたくさん湧いているのか)

「じゃあ何をメインに戦っているの」

「リトルベアーだな」

「リトルベアーの方が怖いように思えるけど」

「単体だからな、支援魔法をかけて、攻撃職が一気に畳み込めば楽だぜ」「

へぇ、教えてくれてありがとう」

「なぁに、また見かけたらよろしくな」

「うん」


「イエールも丸くなった感じがするわね」

とヴィーシャがつぶやく。

「人間は経験から学ぶものですからね、ヤヒスさんのことも気にかけているみたいですし、案外ヤヒスさんの影響かもしれませんよ」


ミードリがそんなことを言うので、思い当たるフシを考えてみたが、特にこれだというものはなかった。


しばらく冒険者キャンプに滞在したが、飽きが来たので王都へ戻ろうとヴィーシャが言い出したので、全員一致で王都へ戻ることにした。


王都へ戻ってパーティーホームに戻り、こまごましたことを済ますと、ヴィーシャが本を持ち出してきた。

それは魔石に関する本で、ボロ市で購入してきたのだと言う。


「ボロ市で買ってきたのか、確かにボロボロだな、裏表紙が無いや」

「文字も150年ほど前の筆記体ですね」

ミードリは興味深そうな顔をする。


「この本によると、魔物は体内の魔石を核に存在しているとあるわ、だから倒すと魔石が出てくるってこともね」

ヴィーシャがその項目を指さして話を進める。


「冒険者には常識的なこと、なにか深い意味があるの?」

パムが疑問符を浮かべる。

「そう、問題はこの先よ、人間が魔石を体内に取り込むと魔物の属性を得て一時的に魔物の姿かたちに変化するのではないかと書いてあるのよ」


「それって・・・本当なの?」

ヤヒスが問う。

「わからないわ、でも150年前に書かれた本だから、今では忘れ去られた何かが記してあるのかもしれないわね」


ヤヒスはそんなことが出来るのだろうかと考え本の絵図を見つめていた。

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