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33/274

33 東へ

「王都は色々なものがあって便利だし、何よりこのパーティーホームが快適すぎるのよね」

ヴィーシャがソファーでだらけながら言った。

「だから王都から離れるクエストを受けたくないんだね」

パムが鋭いことを言う。

「うっ、そうよ、野宿も安宿も嫌になりつつあるのよ」


「でもこのままだと、同じクエストばかりでレベルも上がりませんね」

ミードリは本質をついて来る。

「そこだよねぇ・・・」

ヤヒスはお茶を飲みながら渋い顔をしている


「王都から東、徒歩で二日の所にトヨハの町がありますが、そこにもギルドがあるので、なにかあたらしい発見があるかもしれませんよ」

ミードリは地図を見ながら話している。

「野宿1回か、ならいいわね」ヴィーシャがソファから立って地図をのぞき込む。

「初級者向けのダンジョンもあるとガイドには書いてあります、この先ダンジョンに入るのに練習としてどうですか?」

「この停滞を打破するのには良いかもしれないわね、パムはどう思う」

「知らない町に行くのは良いね」

「だって、ヤヒスは?」

「ホームを離れるのは名残惜しいけど、パーティーとして成長しないといけないもんね、行ってみよう」

「じゃあ決まりね」

ヴィーシャは地図をとんとんと叩いた。


東への道すがらは新鮮だった。

「コイツ!素早いわ!ダブルスラッシュが当たらない」

ヴィーシャ達が戦っているのは「ワイルド・コッカー」である。

通常の鶏の5倍の体躯を持ち性格は獰猛である。

加えて、爪やクチバシでの攻撃は鋭く、苦戦を強いられている。


しかし動きを見切ったミードリがヴィーシャの攻撃を避けるタイミングで「みこし撃ち」で魔物を炎上させる。

この連携がうまくいき、何体かのワイルド・コッカーが塵と消えた。

ヤヒスは魔石をせっせと集めている。

「魔石も確保したし進もうか」

ヤヒスがそう言うと、全員道を進んでいく。

途中、ミドルスネークを何体か、ロックトータスを一体倒し、魔石を確保していった。


「おかしいですね、この辺りには三本杉が見えてくるはずなのですが」

ミードリは地図を見ながら顔をかしげている。

「道が細くなっている、街道じゃないね」

パムも変化に気付いたようだ。


「それって要するに・・・道を間違えた?」

ヤヒスが言うと全員が目を伏せた。

「まずいな、もう日も暮れるしこれから街道に戻るにも暗くなるし、あまり良くないな」


しばらくするとパムが何かに気付いた

「灯りが見える、人が住んでいるのかもしれないね」

「うーん、そこまで行ってみましょう」

ヴィーシャの一言で全員そろって灯りの方へ歩いて行った。

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