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番外編 イエールと言う男②

下水道の掃除が全て終了したと言う少年の後に続いて、ぞろぞろと下水道の階段を降りて行く面々は口々に少年をなじるような言葉を口にしていた。


しかし


そこには宮殿のごとき様相で、清涼な水が湧き出していた。


「おい!マジかよ!本当にやったのか!どうやったんだ!?」

イエールは面白くなり、少年の肩に腕を回した。

「女神の加護ってヤツですかね」


少年は微笑み返した。


「え、えええええ!!」


受付嬢が叫ぶ。


「うるせねぇなぁ姉ちゃん」と誰かが言った。

「ダ、ダダ、ダンジョン発見の印が出ています!!」

「「「はぁ!!?」」」


その場の全員が大声を出す。


「てことは、この下水が、ダンジョンだったってことか・・・?」

「ダンジョン発見って何かあるんですか」少年はよくわからないと言う顔をしている。


その後冒険者ギルドに全員が戻り、その場は熱気に包まれてガヤガヤとした空気に支配されていた。

ダンジョン発見は冒険者の夢の1つだからだ。


しばらくするとダンジョンを発見した少年が階段を降りてきて言った。

「みなさんにはお世話になりましたし、今日は僕が酒場でおごります」


その場にいた全員が歓声を上げる。

もちろんイエールもただ酒にありつけることを大いに喜んでいた。


イエールとそのパーティーメンバーは酒場での集合時間前にテーブルに陣取っていた。

「なにもこんなに早く来ることも無かったのでは?」

「おめぇは酒のことんなると目の色変えるからな」


徐々に冒険者たちが酒場に集まりだし、気が付くと熱気にあふれていた。

そこにようやく例の少年が現れて言った。


「ギルドでも言いましたは今日は全ての料金を僕が持ちます、皆さんおおいにやってください」「ヤヒスダンジョン発見を祝して!!乾杯」

奢りとあって皆はしゃいでいる。


「ふぅん・・・アイツの名はヤヒスってぇのか、ダンジョンに名前が付きゃ有名人だぜ」

イエールはぼそりと独り言をこぼした。


気が付いたかのようにイエールはごぶごぶと器を開けて、次の一杯をたのもうとした時に、何かしこりのような物を心に感じていた。


(アイツはよ・・・最低のクエストを根気よく続けて、良くわかんねぇが下水を宮殿みたいにしちまった、誰も想像もしてなかった、それどころか俺はアイツをなじったり晒し物の様にしちまった、なのによ、全員分おごりだと?お人好しにもほどがあるぜ)


イエールはしばらく考えた後に隅の方でエールを飲んでいる少年の所に向かって歩みを進めた。


「おつかれさまです」ヤヒスは笑顔を向ける。

「お、おう、その、すまなかったな最初に馬鹿にしてよ、俺はイエールってんだ、ダンジョンが解放されたら稼がせてもらうぜ」


そう言ってイエールは去って行った。





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