表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

27/277

27 変装

「外に出るのが怖い」

ヤヒスは両手に大量の食材を抱えて出入口に立ち尽くしている。


「はあ?」

ヴィーシャが怪訝な顔をする。

「どういうことなの」パムも不思議そうにしている。

ミードリは頭に手を当てて困った顔をしている。


「街へ出たらそこら中からひそひそ声が聞こえて、その内誰かがダンジョンマスター万歳とか叫んで、みんなが詰めかけて、市場を歩いたら、あれもってけこれもってけって」


「そ、それでそのありさまなのね、有名税みたいなものね」

ヴィーシャがひきつった顔になる。

ヤヒスは食材をテーブルに置いて突っ伏した

「そのうちみんな慣れるわよ」

「そうだといいけど」


「変装、と言うのはどうでしょう」

ミードリが人差し指をあげる。

「変装、眼鏡や帽子でごまかすと良いね」


「そうよ!変装しなさい、私が市場で眼鏡と帽子買ってくるから、それとテーラーでおまけにもらった服一式に着替えなさいよ」

ヴィーシャが声を出す。

「この服もったいないんだけど」

「悪いけど、田舎者丸出しだから、これを機に王都に合わせた服に着替えたら?」


「はい、言う通りにします」

ヤヒスはまたテーブルに突っ伏してしまった。


「じゃあ行ってくるわ」ヴィーシャはそう言うと街へ出て行った。

その間にヤヒスは食材を分けてその一部を調理していく。

(食材が無料だったのはいいけど、なんとなく心苦しいな)

そう考えながら、皮を剥いたり刻んだりと食材を料理へと変えていく。


料理が出来た頃ヴィーシャが帰ってきた。

「あら、良い匂いがすると思ったら料理していたのね、もうお昼になるものね、はいこれ」

と眼鏡と帽子を手渡して来る。

「うん?服も着替えたのね、これなら王都の人間にふさわしい人間よ」

そう言って手を広げる。


「うん、こんなもんかな」

ヤヒスは眼鏡と帽子を身に付ける。

「見た目はまずわからないね」パムがそう言った。

「そうですね、まずわからないと思いますよ」

ミードリも賛同する。


「これでいいわね、昼食を食べましょう」

ヴィーシャがそう言うので全員テーブルについた。

「ん、この魚のムニエルおいしい」

パムが嬉しそうにしている。


「鮮度が良いのをくれたんだ、やっぱり違うんだね」

ヤヒスはキノコのスープを飲みながらそう言った。

「明日からまたクエストよっ今度は一泊で出かけましょう、まぁ野宿だけどね」

ヴィーリャが明るい顔をして言った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ