243 ドワーフのスキル
好きなキャラクターがいましたら、感想欄に書いていただけると私が喜びます。
「あぁん?スキルぅ?そんならばワシらも持っとるぞ!どれ、見せてやるぞ」
「いいぞバンガル!!見せてやれーーー!!」
「いいぞ若いの!!」
「がっははは!たまには使わんとな!!」
ドワーフの連中はバンガルと言う若者をはやし立てている。
「フッ!ぬぅんんんん!!!」
バンガルが気合を入れたと思ったらその身体はみるみる膨れ上がり以前の5倍ほどの体躯に変化した。
「こりゃすごいね・・・ゴーレムよりも大きいよ」
ヤヒスが驚いているとブントが自慢げに話しかけてくる。
「どうだ、すごかろう?」
そうこうしているうちにバンガルと呼ばれた若者は大樹を引っこ抜き森の奥へ放り投げた。
「ふん!ワシもお前たちに負けてはおらんぞ!!!」
フィスが腕組みして広場の真ん中に立っている。
「なんだちっこいの!バンガルにかなうもんか!!」
「おとなしくしておった方が良いぞちんちくりん!!」
「がははは、子供は大人に対してむきになるからな!!」
ドワーフ達がはやし立てる。
「ちんちくりんとはなんだ!!これは仮の姿だわい!見ておれ!!」
「あーあ・・・アイツ元に戻るつもりだよ・・・面倒なことにならないと良いけど」
「ん?元に戻る?」
ブントはヤヒスの言葉に疑問を持った。
「見ていればわかるよ」
フィスはさらに大げさな腕組みをして仁王立ちをしたかと思うと、身体から蒸気が上がり、蒸気がはれた後には炎竜が立ち上がっていた。
「え・・・炎竜・・・」
「そう、フィスの本当の姿はあの竜なんだ、普段は俺たちに合わせて人間の姿でいるんだよ。
「どうじゃい!これがワシの本当の姿よ!先ほどのは仮の姿で年齢は200歳だわ、わははは!!」
「ぷ、ぶはははは!!こりゃぁいい!!」
バンガルは大笑いをしてフィスと肩を組んでいる」
他のドワーフ達からも喝さいが飛んでいる。
「・・・ねぇブント、あんなに大きくなったのに服が破れていないのはどうして?」
ヴィーシャが当然の疑問を投げかけてきた。
「ああ、ありゃぁな、エルフの織布でなものすごく伸び縮するんだ、しかも頑強で矢も通さんわ」
「ふぅーん・・・すごいね、やはり異世界は違う」
マサカツは目を細めた。
「それを言うたらお前さんトコのチビがドラゴンに戻った時はどうなっとるんだ」
「彼女が言うには一瞬で服が外れて空間に収納されるらしい、正直よくわからない」
パムが肉を食べながら話す。
「魔法少女みたいだな・・・魔法少女ドラゴンフィス・・・案外売れるかもなぁ」
マサカツはいつもの様に周囲には理解できないことを言っている。
「うん、下茹でするんだね、そうすると良い油だけが残るし肉が柔らかになる・・・ふーん、うんうん、この調味料は?宴会だけで使う貴重品、なるほど」
ヤヒスは料理のことをドワーフの女性に聞きだしている、ドワーフの女性も何人か集まってヤヒスに色々と教えていて、楽しそうに見える。
「ヤヒスさんはまた囲まれていますね、人当たりが良いですけど異種族でもそれは変わらないんですね」
ミードリは眼鏡をずらしている。
「おるのだ、そう言う人物が、多くの者に好かれるが本人はその自覚が無い、我が国の大臣もそう言う性質でな、だから政務を任せられる」
リャヒは髪を撫でおろしながら誰にともなく言った。
宴会が終盤を迎えるとドワーフの多くがそのまま地面に横たわり、眠っていた。
「あーあーあーむちゃくちゃじゃないの」
「歓迎してくれているんだろうね、嬉しいことだよ」
ヤヒスとヴィーシャは並んでその様子を見つめていた




