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234 ドルガン王国の温泉

山脈越えから戻ったヤヒス達はパーティーホームでくつろいでいた。


そこにマサカツが戻ってきて言った。


「町で妙な噂を耳にしたよ」

「噂ってどんな?」

ヴィーシャが机に肘をついて答えている。


「うん、なんでもドルガンに新しい温泉がわいたそうだよ、調査したところ肌に良いとか魔力の回復に効果がみられるとか」


「新しい温泉ですか!?」

ミードリが立ち上がりパムも目を輝かせている。


「なるほど、温泉かあ、山脈越えで肌が痛んでいるから丁度いいかもね」

ヤヒスお茶を飲みながらそう言った。


かくしてドルガン王国行きが決まり、即日旅立つことになった。


「うーん・・・ドルガンはなんとなく鉄のにおいがするなぁ」

ドルガン王国に到着し、街路を歩いているヤヒスはそんなことをつぶやいた。


「おんせんおんせん!!」

ヴィーシャはいつになくはしゃいでいる。

「俺は何か目新しいものを見てから温泉に入るよ、宿はいつもの所だろう?」


そう言ってマサカツはどこかへ消えて行った。


「俺、とりあえずギルドに顔を出すよ」

「バルドルドさんに挨拶をしに行くんですね?」

ヤヒスの声にミードリが返す。


ヤヒスもまた街路へ歩き出した。

(確かこの辺りがギルドだったような・・・ああ、あったあった)


ヤヒスはギルドの扉を開けて中に入った。

そこらにいる冒険者がジロッと目線を投げてくる。


「うん、お前神殺しのヤヒスじゃねぇか?」

「え、ヤヒスだけどなにか?」


冒険者に話しかけられたヤヒスは少し戸惑った。

(神殺しのヤヒス・・・?)


「みてたぜぇ、神って名乗るボンタクレを見事に倒しちまった、ドルガンが無事なのもお前のおかげだぜ」


「神殺しの・・・あれが」

「ヤヒス・・・神殺しか」


周囲からひそひそと声が聞こえてくる。


「知った名前が聞こえてくると思ったらヤヒスじゃねぇか」

「バルドルド」


「見てたぜ俺も、良くやってくれたぜ神殺しのヤヒス」

「その、()()()()ってのはなんだい?」

「その名のとおりよ、神をブッ殺しちまったから冒険者の間ではそう呼ばれてんのさ」


「知らなかった・・・うぅ~また面倒ごとが増える気がする」

「はっはっは!有名税だな」


その後の二人はそれぞれ冒険譚に花を咲かせ気付いたら人だかりができて様々な内容に話が飛んでいる。


「おっと、そろそろ時間だな、悪いけど宿に行くことにするよ」

「そうか、もうそんな時間か、また来てくれよな」

「うん」


ヤヒスはギルドを出て宿に向かった。

「こんにちは、黄昏パーティーの者ですけど」


宿に入って声をかける。


「はいはい、黄昏の・・・ヤヒス殿!」

「あっはい」

「良くぞあの悪しき神を滅ぼしてくださいました、そうでなければどうなっていたことか」


宿の主人は深々と頭をさげる。


「いえそんな、よしてください、偶然みたいなものですから」

「その偶然を引き寄せるのが真の冒険者の証ですよ、ああ、部屋の鍵はこちらです、先にリャヒと言う方が入っておりますので」

「ありがとうございます」


ヤヒスはそう挨拶をして2階へ上がった。


「リャヒ、入るよ」

ヤヒスがノックをすると返事があったので部屋の中に入る。


そこにはベッドに横たわって顔をしかめているリャヒがいた。

「なに?どうしたのさ?」


「ああ・・・うー、町を歩いていたらな、何人かの女に声をかけられてな、酒を奢るからと酒場に連れて行かれ、どんどん飲まされてなぁ・・・イツツ」

そう言ってリャヒは頭を押さえた。


(はぁ~~出ましたなぁ・・・リャヒの固定スキル、モッテモテが・・・顔がいいもんなぁ)


ヤヒスはため息をついて足元を見た。


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