215 シュテンドウジ③
シュテンドウジは美少年から巨大な魔物の姿になり、ヤヒス達の攻撃を全て退けていた。
「フィス!あいつと手合わせした感じはどうだった!?」
「魔力が単純に高い、だが妙な感じでな、何かに収納すると言うのか、凝縮して身体のどこかに隠しているのかもしれん」
ヤヒスとフィスは何か作戦を立てているようだ。
「角・・・鬼は角を落とされると弱体化すると何かで読んだ、魔力の増槽のような物か・・・?」
マサカツはぶつぶつ言っていたかと思うと、大きな声で叫んだ。
「ヴィーシャ!そいつの角を切り落とせ!!」
ヴイーシャは飛び上がり角に大剣で一撃を加えた、だが角はびくともせずに、シュテンドウジは笑って言った。
「角がワシの魔力収納器だと良く見抜いたな、だがな、そんなものを無防備にむき出しにしていると思うか?青龍のウロコで覆ってある、攻撃は通らんよ。
「なんだ・・・ヴィーシャの剣は攻撃力4000あるんだぞ、それを耐え抜くってどういう・・・」
「青龍・・・神道の四神のことだな・・・土着の神のような龍だよ、それなら攻撃が通らないのも頷ける」
ヤヒスとマサカツが対処法を真剣に話しあっている。
そこにリャヒが割って入った。
「なんだマスターあのような物は取っ払ってしまえば良かろうに」
そう言われたヤヒスは「あっ」と気付いたような顔になった後、シュテンドウジに向かった歩いて行った。
「む、妙に自信たっぷりだな」
シュテンドウジはヤヒスを見下ろしている。
「その通りさ!剥離!!角!!」
ヤヒスがそう叫ぶと、シュテンドウジの角が金属的な音を発して地面に転がり落ちた。
「な!?ワシの角が!!」
彼はおどろきを隠せないでいる。
「ヴィーシャ!首を落とすんだ!」
マサカツの叫び声を聞いたヴィーシャは、岩の壁でステップを踏んで飛び上がり、大剣で横なぎに首を斬った。
しばらくするとシュテンドウジの首が落ち、口を開いた。
「末代まで続く呪いをおまえにかけてやろう」
彼がそう言うと、口から黒いもやが吐き出されて、ヴィーシャに吸い込まれて行った。
「呪い?要は取っ払えばいいんでしょ?剥離!」
ヤヒスが叫ぶとヴィーシャに吸い込まれて行ったもやがひきずりだされ、空中で消えた。
「お・・・お前たちは何なんだ・・・」
シュテンドウジの首はそのまま塵となって消え、魔石が転がり出て来た。
「ふぅむ・・・呪いまでも引き剥がすのかヤヒスの剥離スキルは」
リャヒが魔石を見つめてつぶやいた。




