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209 東方のクエスト

「一か月も前のクエストが張り出されているわ、何か理由があるの?」


「ああ。そりゃ武器も魔法もハジかれちまう巨大ムカデの魔物でな、みんな手を焼いているんだ」

「一か月も・・・被害があるのかな?」

パムは男たちに聞いた。

連中からは寺にこもっているがいつ暴れ出すかわからないと声が返って来る。


「ふむ・・・心当たりがあるからこのクエストをうけよう」

マサカツがそう言うとリャヒがそれに返した。

「マサカツの故郷の知識・・・と言うことなのか?」


マサカツはニコッと笑いうなづいた。


「そこの方、弓と矢をお借り出来ませんか?」

「お?なんだ?どう言うことだ?」


マサカツに話しかけられた冒険者はうろたえている。

謝礼は払いますからと言ってゴールドを差し出した。


「うん・・・ならいいだろう、壊すなよ」


そう言った具合で、マサカツは弓矢を借り受けた。


「マサカツは弓矢が使えるのかの?」

フィスが話しかける。

「高校三年間は弓道部でね、これでも上手だったんだよ」


マサカツはまたパーティーの面々にはわからないことを言った。


その夜、黄昏パーティー一行は、巨大ムカデが潜むと言う荒れ寺に向かった。


「ど、独特の空気がありますね・・・」

「気味が悪いわ」

ミードリとヴィーシャは少しだけ気をされているように見える。


「ん・・・出てきよるぞ、こりゃ確かに気配が禍々しいな」

フィスは静かに言った。


そうしていると荒れ寺の屋根に巨大なムカデが現れた。


試しにミードリが魔法を放つが、ムカデは何と言うこともないと言う様子である。

続いてヴィーシャが斬りかかるが攻撃がまるで通らなかった。


「信じられんな、かように攻撃が通らぬとは、これはヤヒスの出番かな?」

リャヒがヤヒスを見て言った。


その視線を受けてヤヒスは剥離のスキルを使ったが、それさえも通じなかった。

それどころか巨大なムカデは、ヤヒス達を毛ほども気にしていない様子だ。


後方から弓矢を手にしたマサカツが歩み出してきた。


「マサカツ!物理攻撃は効かない!多分弓矢でもそうだよ!」

ヤヒスが心配して声をかけると、マサカツは矢じりを口にくわえ、唾を絡ませた後で、矢をつがえる。


ギリリと弓の張る音が聞こえ、マサカツは巨大ムカデに向かって矢を放つ。

ヒョッ!と言う音が鳴り矢はムカデの背に深く突き刺さった。


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