表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

207/274

203 マサカツの知識

リャヒは農地を視察すると城に入り執務室に入った。

「私たちはどうすればいいの」

ヴィーシャが話しかけるとリャヒは言った。


「む、そうだな、ヤヒスとマサカツ以外は応接室にいてくれ」

そう言われて他の者は退室した。


リャヒは控えの兵士に命令をする。

「土壌などの開発責任者を呼べ」

「はい、ただちに」

兵士は外にいた兵士に何事か伝えている。


間があって帽子をかぶって土に汚れた老人が入ってきた。


「はぁ、王様の部屋でこんな泥だらけで申し訳ない思います」

老人は頭をさげた。


「かまわん、その姿は真剣に事業に取り組んでいる証拠、賞賛に値する」

リャヒはそう言って紙束をめくり様々な質問をしていった。


「お前たちはどう思う?」

ヤヒスとマサカツに質問が投げかけられた。

「俺は言うことは何もないよ、じいちゃんにはかなわないさ」

ヤヒスは笑顔で言った。


マサカツは口を開き喋りだした。

「品種・・・ここの土壌に合った品種の種を各国から買い取って、今までとは違う作物も試してみるのが良いかと思うよ」


「ふーん・・・端的に言うと?」

リャヒはマサカツに言葉を投げかける。

「種と土はあうあわないがあるんだ、一番合う種をつかうんだ、それに単一種だと病気の蔓延に弱い、まぁこれは年数がかかる場合もあるんだけどね」


「年数か・・・まぁそう都合よくいかないか」

リャヒは机に肘をつき報告書を眺めている。


しばらく問答が続いた後、大体のことは分かったからと、リャヒはその場にいる三人を退室させた。


「ずいぶん時間がかかったじゃない」

応接室に入るとヴィーシャが話しかけてきた。


「農地開発は時間がかかるからね、その計画段階の話しも時間がかかるのさ」

マサカツはにこやかに話している。

「それにしてもマサカツさんが残った理由はなんです?鉄鋼や発明が専門では?」

ミードリは興味があるようだ。


「リャヒは鋭いね、僕には基本的な教養があるとふんだのだろう、農地のことも何かわかるかもしれないと思い残したんだね」


「で、知識はあるのか?」

フィスがソファーにふんぞり返りながら言った。


「僕の国では8歳くらいかな?基本的な栽培法を習い、10代半ばごろまで場合によっては知識を得る機会があるんだ、18歳くらいまでには男子なら、栽培、料理、木工、鉄工、裁縫を身に付けることが出来るよ」


パーティーメンバーは驚いていた。


「それはすごい、文明の差が感じられる」

パムは考え込むような表情でマサカツを見ている。


別の国では当たり前の知識でも、他の国では道の知識であることは良くあることである、異世界間ではなおのことそうなるのである。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ