200 現象と原因
今日もマサカツは本を読んでいる。
そこにヤヒスがやってきて話しかけた。
「いま、大丈夫?」
「うん、いいよ」
マサカツはしおりをはさんで本を閉じた。
「先日の野球なんだけど、国の方がいたく気に入ったみたいでね、ドルガンとも話を合わせて年に何回かやるようにする動きなんだって、それでその功績をってゴールドをたくさんもらえたんだ、君のおかげだよ」
ヤヒスはにこりと笑って言った。
「野球には・・・競技全般がそうなんだけど、一種の中毒性があるんだよね、だから年一回では終わらないとは思っていたんだ」
「マサカツはそこまで考えていたんだ」
「うん、そうだよ、しかも野球は道具もシンプルだしルールもわかりやすい、三角ベースなんて言って少人数でもできるしね」
「あら野球の話し?おしかったわねぇところでまた勇者パーティーのクエストが来ているわよ」
「こないだ野球やったばかりなのに!?」
「一度成果を出すとまたやってくれると思うみたいね・・・」
「ああ、僕の国でもそう言うのあったよ、難しい案件を解決したり、機械が操作できたりするとまたやってくれって仕事が増えるんだ」
マサカツが遠い目で話している。
「でもそれでゴールドをたくさんもらえたらいいことじゃない」
「もらえないんだ・・・」
「「え?」」
「やるだけやっても、給料は増えないんだよねぇ」
「ひどい国じゃない・・・」
ヴィーシャが引き気味に言った。
「まぁ、だから出来るけれどもできないと言った方が良かったりするんだよ、ところでどんなクエストなの?」
「ん?湖畔の町サナルで謎の火災が相次いでいるんだって、場所はいつも同じで女神像の周辺だとか、ゴーストか何かかしらね」
「いくらここがファンタジー世界でも現象と原因はある、科学の分野かもしれないね、僕も行っても良いかな?」
「そりゃぁ・・・魔物も出ていないみたいだし来たければいいわよ」
マサカツとヴィーシャはクエストへの同行について話して、荷物を取りに行った。
いつもの様に空からサナルの町に降り立ったが、今回はヤヒスとヴィーシャ、ミードリにマサカツと言った編成だった。
四人は町の住人に聞いて火災が発生している場所を教えてもらいそこへ向かった。




