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192 マサカツの発明

ヤヒスたちがドルガン帝国に滞在して1か月が経過していた。

クエストは豊富にあったし、なにより温泉に入ると明らかに肌つやが違うからと女性陣がよろこんでいるからだ。


マサカツは毎日遅くまで工房で何かの作業をしており、帰宅してすぐ眠ると言う具合だった。


そんなある日マサカツが見せたいものがあると言うので中央広場に行ってみると、人だかりができていた。

そこには大きな時計が設置されており、工房のカシラが何がしかの説明をしていたが、あまり内容を理解できない。


「おお、もう時間になるから動き出すので見ていて欲しい」

頭がそう言って、時計の針が12時を指すと時計から音楽が流れだして、ドレスやスーツに身を包んだ人形がちょこまかと踊りだす。


周囲はワッとした声であふれ皆仰天してその時計を見ていた。

そのうち時計が元に戻ると、頭はこれはドルガン王国の新しい観光名所になるだろうと胸を張って言った。


マサカツはその様子を満面の笑みで眺めている。

「あれはほとんどあなたが作ったんじゃないの?」

ヴィーシャがマサカツに問うと彼はそうだと答える。

「だったら、君も前に出ればいいじゃない」


ヤヒスがマサカツに言うと、彼はそれに答えた。

「僕は技術で物をつくるのが好きなんだ、ただそれだけの人間なんだよ、出来上がったものはみんなが便利になったり楽しんだりするものさ、考えているのは次の工作のことだけだよ」


マサカツの考え方はパーティーメンバーでさえも不思議に感じるものであった。


「それよりも今開発中の発明を見てくれないか?」

彼は全員を工房に案内した。


工房は大きく天井も高い、良くわからない雑多な器具が積まれている

「これだよ、全自動トロッコさ、一定の重さになると自動的に動き出して坑道から鉱物資源を運び出してくれるんだよ、ただ・・・まだ重量感知の部分で難航していてねあと一歩と言うところなんだけど」


「良くわからないけれどすごいのはわかったわ、どうやって思いついたのよ」

ヴィーシャがマサカツに問うと意外な答えが返ってきた。


「君たちがダンジョンで体験した全自動投石器をヒントに考えてみたんだ、繰り返しする機構がこの文明でも出来るかもしれないと思ってさ」


全自動投石器の名を聞いてほとんどの者がしかめっ面をした。

「あんなものが役に立つとはねぇ・・・」

ヤヒスはため息をついている。


「面白そうだから今度僕も体験したいな」

マサカツがそう言うと、絶対に嫌だとの声が返ってきた。



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