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19 冒険者とは

今日もミドルマンティスの討伐クエストだった。

ミドルマンティスは狩っても減ることは無く、草原地帯からは出てこないので駆け出し冒険者には格好の獲物である。


「これで8体目ね、10体倒したらかえりましょう」

ヴィーシャは髪をなびかせながら言った。


9体目を倒したときにヴィーシャの身体が眩しく光った。

「レベルアップだわ!」彼女は飛び上がっている。


10体倒したところでパムの身体も眩しく光る。

「レベルアップした」

パムは無表情だが、最近は表情が読めるようになったので、喜んでいるのが良くわかる


「今日は最高ね、やっぱりミドルマンティスのクエストにして正解だったわ」

ヴィーシャは笑顔を見せた。


「見てて思ったんだけど、大分余裕があるような気がするんだが、もう一個くらい難易度の高い魔物を狩ったらどうなんだ」

ヤヒスは魔石を拾いながらそう言う。


ヴィーシャは少し考えこんだ様子でぽつりとつぶやいた。

「ダンジョン」

「ダンジョン?」

「ここからそう遠くないところに駆け出しパーティー向きのダンジョンがあるの」


「あそこですか、宝物は狩りつくされているけど、トラップも無いし出てくるのはベビーゴブリンが多いあのダンジョン」

「少し不安があるね」パムはぽつりと言う。


「不安要素は何なんだ」

「狭いことよ、今までは畑や草原だったから自由に動けたけれど、ダンジョンは狭いから戦い方が変わってくるのよね」

「なるほど、やり方が違ってくるんだな」


「でも、いずれダンジョンに挑むのが目的、避けては通れないですね。

ミードリはダンジョンに挑むことに前向きなようだ。


「ところでさ、前から思っていたんだけど、冒険者ってどうして魔物を狩っているんだ」

「え、そこからなの」

ヴィーシャが呆れた顔で言う。


「まず、この間のモーグラーみたいに、人間の生活圏を荒らす魔物を退治すること、次に魔物の支配地域を減らして国土を拡大して、国を豊かにするためよ、そして最終的な目的は一つ、魔物の発生源を特定して破壊、もしくは討伐することよ」


「そうだったのか、田舎育ちだから何も知らなくて」

「ではどうして冒険者ギルドに登録されたんですか」

ミードリーが顔をかしげている。


「スキルがあったから、冒険者は儲かるってのも聞いていたし、今みたいな荷物持ちならあてがあるかと思ったんだけど、ギルドで誰も組まねぇって言われてさ」


「職業安定所の方が正解だったのかもね、でもあなたはレアスキルを持っていて最底辺の仕事を続けて成りあがった、冒険者としての素質はあったのよ」

ヴィーシャは真剣な目で見てくる。


「うん、ありがとう」ヤヒスは眩しい笑顔を彼女に向けた。

「そ、そのいきで頑張ればいいのよ、ヤヒスが冒険者になったのは他人の役に立ちたいからよね、その心があれば立派な冒険者になれると思うわ」


四人は静かに笑い、草原を風が駆け抜けていった。

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