184 イモウ草原の遺跡①
「イモウ草原に遺跡がある確率が高いですね」
ミードリは地図と書物を見ながら説明している。
「イモウ草原ってあの誰も近づかないっていう所かい?」
ヤヒスがミードリに確認の返事をした。
「そうです、あそこはハイジャイアントゴーレムがうろついているので近づかない人が大半ですが、記録によると相当むかしから存在していたようで、行動パターンも一定で、その範囲内に入らなければ何もしてこなくて、襲われても範囲の外に出ればまた元に戻るそうです」
ミードリは書物の挿絵を指さした。
「そうか、自働警備装置のようなものだね、一定のプログラムに従って動いているんだ・・・でもどうやってプログラミングしたんだろう、面白いなぁ、これは何かを守っている証拠だね、ミードリの言うように遺跡がある可能性が高いよ」
マサカツはにこにこしながら何かブツブツと言っている。
「ほい、じゃあ明日からイモウ草原行きだな」
フィスが椅子にふんぞり返りながら言った。
朝早くから王都をでた黄昏パーティーはイモウ草原を上空から見下ろしていた。
「いたわ、ハイジャイアントゴーレムよ」
ヴィーシャが指さすと巨大な岩塊が動いているのが見えた。
「うわ、でっかいなぁー」
ヤヒスは恐々眺めている
「想像の通りですねゴーレムが歩いた後だけ草が生えなくなり道のようになっています。何万回と歩いているのでしょう」
ミードリが何か記録をつけている。
「で、どうするんだ?」
フィスがヴィーシャに聞いている。
「あの枠の中に入ると襲ってくるのよね、堂々と降りてまず前衛で対応しましょう」
「うーん・・・」
ヤヒスが何か考え事をしている。
「どうしたんだヤヒス、何か心配事でもあるのか」
リャヒはヤヒスを見つめている。
「いや、前衛が対応するって言ったけど、俺を前線にして欲しいんだ」
そう言ったやりとりでコトが決まり、まずヤヒスがチヌックから飛び降り、続いてヴィーシャと言う順番でハイジャイアントゴーレムに向かって走った。
ゴーレムはすぐ反応して、ずしりずしりと向かってくる。
ヤヒスはハイジャイアントゴーレムの前に立ち叫んだ。
「剥離!ハイジャイアントゴーレム!!」
彼がそう叫ぶと、ハイジャイアントゴーレムはバカリと言う音ともに全身が崩壊した。
「そうか、剥離のスキルね」
草原をさわさわとならしてヴィーシャが近づいて来る。
「さっすがワシのマスターだわ!」
走ってきたフィスはヤヒスの背中に抱き着いた。
「っとぉ・・・フィスか、はははやったぜ!」
ヤヒスは親指を上げている。




