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182 魔物対策省

山岳のクエスト領域に来て4日目、朝の早い時間から黄昏パーティーは行動を開始していた。


「出てこないね」

「あれだけ刈りつくせばもうそんなに出てこないでしょうね」


ヤヒスとヴィーシャがぽつぽつと会話をしている。


「もう引き上げても良いのではなかろうか」

リャヒは周囲を見回しながら歩いている。


「何体くらい倒したんじゃ?まぁわからんじゃろうが」

フィスは笑いながら歩いている。

「85体です」

ミードリが眼鏡を上げながら言った。


「85・・・そんなに倒していたの」

「それよりも数えて覚えているミードリがすごい」

パムはあきれたような顔をしている。


「これはもう帰っていいでしょうよ、魔石も袋一杯だし」

ヤヒスが提案してきたので、山小屋に戻って荷物をまとめ、チヌックに乗り王都を目指した。


「これじゃ少なすぎるからもっと刈ってこいって言われたらどうしよう・・・」

ヤヒスが魔石の入った皮袋を手にしてつぶやいている。


「勇者パーティーに求められることがどれくらいなのかわからないものね」

ヴィーシャは腕組みして寝転んでいる。


「ま、駄目だったらまた行けばよかろう、床かベッドかで誰かがもめるから簡易ベッドでもかえばいいだろう」

フィスが笑い顔でヤヒスを見ている。


そのうち王都に到着して、街路を官庁街に歩いて行った。

「魔物対策省」と言う小さな建物があったので、そこに入っていく。


「すみません、こういう手紙をもらったんですが」

ヴィーシャが手紙を見せると受付の男が話し始めた。


「勇者パーティー黄昏さんですね、何かお聞きしたいことがありますか?なるべく早く討伐に向かっていただけるとありがたいのですが」


「討伐ならもう終わりました」

ミードリが言うと怪訝な顔をして受付の男が言った。

「では魔石の数を確認させてください」


そう言われてヤヒスがカウンターに魔石の入った皮袋をドスンと置いた。

「これで・・・どうでしょうか」


受付の男は、唖然として魔石の鑑定をしている。

「こ、こんなに討伐したのですか!?」

「いけなかったですか?」

ヴィーシャは心配そうに聞いている。


「めっそうもない・・・多すぎるくらいです、手紙を送付してから1週間程度しか経過していないのにこの数を・・・信じられません」


予想外の返答にパーティー全員がぽかんとしている。


受付の男はカウンターの下から用紙を取りだしてサインと印鑑を押すと、ヴィーシャに渡した。

「これを銀行に持ってけば報酬がもらえますので」

そう言われて魔物対策省を出て銀行への道筋を歩いた。


「勇者パーティーは普通あれだけ狩るものではないのかしら・・・」

ヴィーシャがつぶやいたが、フィスがそれに答えた。


「なに、ワシらがそう言う強さだと言うだけの話しよ」



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