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177 山小屋

北西の山脈、その頂付近に出没する魔物を討伐せよとの命令が国から下された黄昏パーティーは、北西に向かって空を行くのだった。


「今から行く山脈って冒険者キャンプから見えていたところだよね」

ヤヒスが地図を確認しながらヴィーシャに問いかけた。

「そうよ、勇者パーティーはあそこに行くこともある~なんて話していた場所よ、めんどくさい・・・勇者パーティーなんかになるんじゃなかった」


「しかしあの場合はそうしないと神が相手をしてくれませんでしたから」

ミードリが困り顔で話をすすめる。


「世界の危機だったのだ、是非もなしであるな」

神に自分の領地を破壊されていたリャヒは思うところが大きいようだ。


「勇者パーティーになると収入がぐんと増える、名声もえられる、そうすることで冒険者の士気を高めているんだろうね」


「その名声がいらんのだ~ほっといてくれんかなぁ~」

ヤヒスはチヌックの背に顔をうずめてうめいている。


「まったくそうよ、Aランクも国からのクエストがあるし、Bランクくらいでとどまって、あとは遺跡探検なんかをしているのが丁度良かったのよ」


「我が主、山脈が近くなってきましたどの辺りに降ろしましょうか」

チヌックが聞いてくるが、詳細は何もわからないので指示しようもない状況である。


「チヌック、君のカンと言うのかそれらしい場所があったらそこに降ろしてくれ」

「は、我が主」


チヌックは数回山脈を行き来しながら比較的開けた場所に降り立った。


「あれ?小屋があるわよ」

ヴィーシャが森の縁にある山小屋を指さす。


「はい、盟友、住居として活用できるかと思いこの場所を選びました」

「チヌックは賢いなぁ、状況を読んでいるよ、それと比べると・・・」

ヤヒスはフィスの方をちらりと見た。


それに気付いたフィスは憤慨している。

「なんだマスター!ワシとチヌを比べておるのか!?ドラゴンであるワシの方が上なのは間違いないのだぞ、全くチヌは贔屓されておる!」


ヤヒスは彼女をなだめながら荷下ろしをしている。


「取りあえず山小屋を確認してみましょう」

ヴィーシャはそう言うと山小屋の方に歩いて行ったので、全員それに従った。

山小屋のドアを開けてみると誰もいなかったが、きちんと手入れされている痕跡がある。


「ベッドが上に1つ・・・下に2つ、コンロもあるわね」

ヴィーシャは中の様子を確認してまわっている。


「ベッドが足りませんね・・・」

ミードリは残念そうな顔をしている。

「山小屋があるだけ大分マシよ、2人づつベッドに入るしかないけれどね」


「じゃあワシはマスターと寝るわい」

「あなたはドラゴンでも女の子だから駄目に決まっているでしょう!」

フィスとヴィーシャがもめている。


「て、ことはだ・・・俺は王と床入りすることになるのか??」

「うむ、そうだな、光栄に思って良いぞ」

「光栄!?なにが光栄だよ!そんなガッチガチでデカい男と寝るなんて罰か何かでしょ!?」


ヤヒスはリャヒともめている。


それを見て女性陣は大笑いしている。

ヤヒスは和やかな空気を楽しんでいるようにも見えた。


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