175 地下都市②
ヤヒス達は土獏が広がる大地に地下都市を発見し、その中をさまよっていた。
地下2階には広間や演芸場のような建築物があり、全体的に広い構成だった。
そこも奥まで進むと階下への階段があった、階段は長く、相当に深い場所まで続いているようだった。
降り切った場所を見て全員が驚愕した。
「頭蓋骨が・・・壁中に・・・」
ヤヒスは驚愕している。
他の者も同じような反応で驚きを隠せないでいる。
「なるほど・・・生活空間があれば墓地もあって当然ですね」
ミードリは眼鏡をかけなおした。
頭蓋骨の壁は奥まで続いており通路が交差するような場所に、金で出来たプレートのようなものが埋め込まれていた。
「これは金なのか?」
そう言ってリャヒがプレートに触れると、それは窪んで壁の中に落ち、方々からカタカタと言う音が聞こえてきた。
通路の影から動く人骨が歩き出してきた。
「ウオーキングボーン!」
ヴィーシャはそう叫ぶと剣を抜きそれを構えた。
後に続くように全員が武器を構えて魔物を迎え撃つ姿勢を取った。
ミードリは通路に細長くした火炎を飛ばし、魔物をまとめて消し飛ばしている。
ヤヒスは前衛職の武器にファイヤーフラワーの魔石を結合した。
それぞれに通路から来るウオーキングボーンを叩いている。
火の結合で魔物はすぐに塵となるが数が多すぎてさばききれない。
戦闘方法は各通路を1名が担当して、ウオーキングボーンがたまってきたらミードリの火炎で消し飛ばす流れになっていた。
「キリが無い!このままだとここにある骨を全部相手にすることになるわ!逃げるのよー!!」
ヴィーシャはミードリにもと来た道を火炎で消し飛ばさせ、全員が走って出て来た魔物を倒すと言う塩梅で、降りてきた階段までたどり着き、そのまま走って上の階まで出た。
階段のそばに大きな石があったのでフィスの怪力で階段の出口をふさいだ。
全員が地面に座り込みぜぇぜぇと呼吸を乱している。
「ひどい目に合った・・・」ヤヒスがつぶやき、立ち上がり、全員がそれにならいよろよろと立ち上がると、出口をふさいだ岩からゴンゴンと音が聞こえてきた。
「まだ来ている!!走ってぇえええ!!!」
ヴィーシャが走り出すと全員それに続いた。
地下1階にたどり着くと、パムのマーカーをたよりに出口まで走り外の光が漏れているところでフィスがロープを背負って外に飛び出し、すぐにロープをおろしてきたので、パムとミードリを先に登らせ、最後は男が登って逃げることが出来た。
「し・・・死ぬかと思ったわ・・・」
ヴィーシャはそうつぶやいてへたり込んだ。




