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174 地下都市①

大河ヨコウに広がる土獏に、遺跡の手掛かりになりそうな洪水跡の段差を見つけ、探索はようやく本番に入った。


各々が土獏に散らばり遺跡のあとを探しているがなかなかそれらしい場所が見つからないでいる。


「ん・・・?この石妙に平たいな、さっきも似たようなものを見かけたような・・・」

ヤヒスがぶつぶつと言いながら立ち上がると、石でできた線のようなものが目に入った。

(なんだろう・・・うん、この感じは建物だ、建物の上だけ壊れて基部が線のようにのびているんだ!)


「おーいみんな!!」

ヤヒスは全員を呼び寄せ、見つけた物の説明をした。


「本当ね・・・これは壁の跡に見えるわ」

ヴィーシャは足先で石をコンコンと蹴っている。


それをよそにフィスはその辺りの地面をドンドンと蹴りつけている。


「何をやっているんですかフィスさん?」

ミードリがそう言いきらないうちに、フィスは高く跳躍し、地面に激しく着地した。


ボゴッと言う音とともに足元が崩れ、全員飲み込まれて行った。


「いーーーったぁ!!!」

ヴィーシャは地面に落ちて悲鳴を上げ、他のメンバーも塊になって落ちていたが、フィスだけは空中でひらりと回転し、柔らかく着地していた。


「これは地下都市だな、天井が高い、と言うよりも上物が無くなり地下だけが残ったと言うところか」

フィスがつぶやいている。


「いてて・・・パム、ライトボール・・・」

ヴィーシャに言われたパムがライトボールを出すと周囲が明るくなった。


「これは・・・きれいに残っていますね」

ミードリが光の先に見える通路を見て言った。


「これは・・・登れるのか?」

リャヒが天井の割れ目を見て言っている。


「リャヒの背負っているリュックにロープが入っているから、フィスがロープを持って飛び出して、そのロープを使って出ればいいんじゃないかな」

ヤヒスがそう言うと安堵の空気になった。


遺跡の中は迷路のようになっていた。

部屋がいくつもあり、ツボや調理器具などがそのままのこっている。

それどころか浴場らしき跡まであった。


「さっきまで誰かがいたような感じね、きれいに残っているわ」

ヴィーシャは呆然と辺りを見回している。


「あっ、下に続く階段がある!」

ヤヒスが指さして叫んだ。


「むぅ・・・まだ下の階があるのか」

リャヒは驚いた様子だ。


「おりるの?」

パムがヴィーシャに問いかけると返事があった。


「もちろん、いけるところまで行くわよ!」


全員で下の階へ続く階段を降りた。

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