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167 式典

式典の当日、宮殿の前庭には国の重鎮が集まっていた。

ヤヒス達は端の方で座っている。


意外にもヴィーシャは緊張している様子で、、ミードリもそれと同じであった。

逆にフィスをはじめとする4人は早くもつまらなさそうにしている。

式典はファンファーレとともに始まり。


神による災害に対しての話を、幾人か喋り、長い時間が過ぎた。

そのうち話の流れが変わり、ヤヒス達が呼び出された。


「勇者パーティー黄昏!前へ!」

全員で背筋を伸ばして歩き、どんな役職かもわからない偉い人の前に横一列に並んだ。


「貴君たちは神を名乗る厄災に対し果敢に挑み、これを排除せしめた、よって国家金星章を授与する」

国家金星章は、国に寄与したソヴィリバーレの平民が受けられる最高の勲章である。


一人ひとり勲章を胸に付けられ、深いお辞儀をしている、フィスでさえ空気を読んで凛々しく、ひかえめな態度を見せている。


拍手が沸き起こり、しばらくしてヤヒスの名が呼ばれた。

「貴君は、神との戦いで勇敢にもこれを撃ち滅ぼし、我が国、いや、この世界の危機を排除せしめた、国家として特段の礼をもってたたえる!」


そう言われたあと、その場にいる全員が立ち上がり頭をさげた。




「ふぅ・・・やっと解放されたわね、この服を早く着替えたいからさっさとホームに帰りましょう」

全員が早足で街路を歩いていると前方からイエールがやってきた。

「げ、なによイエール」

ヴィーシャはあからさまにいやな様子である。


「そうじゃけんにすんなって、見てたぜお前らの活躍、良くやってくれたぜ・・・ありがとうなヤヒス」

そう言ってイエールは拳を差し出してきたので、ヤヒスはそれに合わせて拳をぶつけた」


その後、多少の会話をしてイエールは笑いながらどこかへ行った。


「はぁようやく落ち着けるわ」ホームに帰ってきたヴィーシャ以下全員がぐったりとしていた。

「着替えてくるわい」

フィスはそう言って2階へ消え、それを皮切りに全員が2階の自室に消えて行った。


最初にヤヒスが階下に降りてきたので、彼はお茶を入れてお菓子を用意した、ぽつぽつとメンバーがおりてきて、静かにお茶と菓子を楽しんでいる。


その時玄関扉をノックする音がしたので、ヤヒスが席を立ちドアを開けた。

そこには白いオックスフォードシャツと細身のデニムパンツを履いている笑顔の若い男が立っていた。


「どなたでしょうか」

ヤヒスが問いかけると彼は深々と頭をさげて言った。


「僕は後任に任命された者です、前任者が大変なご迷惑をおかけしまして、お詫びのしようもありません」


「後任、何の役職でしょうか?」


「神、です」

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