162 神⑤
神が、先行していた勇者パーティーを倒して次は何をするかと思案していたところに、新たに勇者に認められたヴィーシャを筆頭とする、黄昏パーティーが現れた。
「おお、新たな勇者パーティーの登場ですか、いつでもどうぞ」
そう言われてリャヒは一人で舞台に上がった。
「お一人だけですか?自由ではありますけど」
神は手を広げてにこやかな笑顔でしゃべりだした。
「私は北方の国で王を務める者、お前が破壊した国だ、王として一番ヤリを望む」
そう言ったかと思うと、リャヒは瞬歩で間合いを詰めて、神の腹部にヤリを突き立て叫んだ
「煙化粉塵!!!」
その言葉を言い終わると神の身体は塵となって消えた。
「すごい、塵にしてしまったよ、リャヒはこれで敵が打てたね」
ヤヒスがそう言っていた時に、塵は人の姿を形成し、リャヒの背後にまわった。
人型に戻った神はリャヒの背中を軽くつつくとリャヒは倒れふした。
それを見たヴィーシャが突撃の声を叫び、残りの全員がヴィーシャに続いて突撃した。
補助魔法、前衛、後衛の魔法使いとパターン通りではあるが斬り込んでいく。
ヴィーシャは大剣で神を舞台ごと真っ二つにして、返す刀で袈裟斬りにした、すぐにバックステップで距離を取ったヴイーシャの次は、ヤヒスが斬り込み、スキルを何十にも重ねて剣を叩き込んだ。
ミードリは「ファイヤスティンガー」を放ち、舞台ごと爆発させた。
火炎が収まると神は平然とした格好で立っていた。
「まぁやはりそうか」
フィスはつぶやいた後で素早く神に迫り手刀を喉元に叩き込み、そこから掌底に続き、腹部に拳打を叩き込んだ、神の身体が宙に舞って、地面に落ちた、フィスはそこに走り込み、関節技で腕を折りからだを返すと、マウントポジションで顔面を殴りつけている。
しばらくしてフィスは吹き飛ばされ、砂漠に転がり動かなくなった、昏倒しているのだろう。
ミードリとパムは複合魔法を形成し、神の真上に落とそうとした瞬間、目の前に現れた神に昏倒させられた。
「残りはお二人ですよ」
そう言うと神は満面の笑みを浮かべた。
「最後だと思うので私の話を少しだけ聞いてください、私は見た通り不死なのです、どんな状態からも復活できる、さらに4000年は生きています、暇なんですよ、だから少しくらいこの世界を壊して、絶望と涙から復興する人々が見たかったのです」
「吐き気がするわね」
「神と言う名の邪悪だ」
ヴィーシャとヤヒスが剣を構えて突進した。




