159 神②
神の出現により各国様々な都市が破壊された。
その膨大な破壊力は神の力を誇示するに十分であり、人々に絶望の淵に追いやった。
「さて、神である私の力が分かりましたね、滅び、を感じましたか?終末ですか?、しかし私はチャンスを与えましょう、勇者・・・がこの世界にはいますね?常人ならざる力を持った勇者とそのパーティーが5組、聞いているでしょう勇者パーティーよ、私は1パーティーづつあなた方と戦いましょう、勇者パーティー以外は受け付けません」
神は相変わらず高空から見下ろして薄笑いを浮かべている。
「場所は南の砂漠、舞台を用意しておきますし、食事も飲み物も、寝床も用意しましょう、最初の戦いは3日後、どの勇者でもかまいませんよ、3日後に来ない場合、今度はソヴィリバーレの半分を爆破します、皆さんぜひとも勇者を探し出して私の元へ送り出してくださいね」
黒い男はそう言うと天空から消えた。
「ふざけた野郎だ、本当に楽しいのだ、なんでもやるのだ、良い塩梅の絶望と針先のような希望を良く知っている」
フィスはそうつぶやいて転がってきた椅子を起こして座り込んだ。
「勇者パーティー、ひどい目に合っているでしょうね、戦う?あれを見ても戦えるのが勇者パーティーなんだもんね、いまごろ誰かがどこかにいる勇者パーティーを縛り上げている頃じゃないかしら」
「俺たちはどうするんだ・・・?」
冷静になったヤヒスがヴィーシャに問いかける。
「勇者パーティーではない私たちに戦う権利は与えられないわ、神はそう言う性格だわ」
「リャヒさん、国に戻られなくて良いのですか・・・?」
ミードリは目を赤く腫らせて問いかけている。
「・・・私が倒す、あの男を倒す、神を葬る、王としてできるのはそれだ」
リャヒはふらふらとパーティーホームに戻り、しばらくして槍を持って出てきた。
しばらく路上に座り込んでいた全員だったが、ヴィーシャの指示でホームに戻り、風呂に入ることになった。
風呂から上がってきたヤヒスはヴィーシャに伝える。
「さすがヴィーシャだな、風呂に入れって言われて入ったら気分が落ち着いたよ」
「そうよ!黄昏のリーダーだからね」
そこにミードリが会話に混じって来る。
「今だからリーダーとは言っていますけれども、最初はソロで黄昏って名前を冠して活動してたんですよ」
「・・・ソロなのにパーティー名があったの?フフフフッ」
ヤヒスは思わず笑ってしまった。
「ちょっと!変なこと伝えないでよ!」
ヴィーシャは大げさに怒っている。
「うるさいのう、王の御前であるぞ、静かにせい」
リャヒが胸を張って笑っている。
「・・・お前、あんなことがあったのに・・・最高の王だよ、絶対に神に届く王になれよ!!」
神と勇者パーティーとが戦うまであと3日。




