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156 中央森林を行け②

古地図や古道具から推察して、中央森林地帯に何らかの遺跡があることを想定したヤヒス達は、上空から森林地帯を見下ろすことで、尖塔のような遺構を発見することが出来た。


「あっ・・・あの意匠は例の地図や金属の塊に描かれていたものと同じですね」

ミードリは尖塔の4面に彫り込まれたそれを指さして言った。


「本当だ!推測は正しかったんだ!!うっほぉ!見つけたぞーー!!」

ヤヒスは飛び上がって喜び、ミードリとタッチを交わしている。


「ふん、この尖塔自体に木が絡みついているのだな、これは埋もれて発見できぬのは無理もないな。

リャヒは高い塔を仕方ら眺めながらつぶやいていた」


「くまなく探したけれど入口らしきものは何も無いわね、どこかに仕掛けがあるのかもしれないけど、時間をかけないと無理だと思うわ」

ヴィーシャが渋い顔をして歩いて来る。


「そうですか・・・この尖塔は高さの割に接地部分があまり大きくないように思います、中に空洞を作る場合、ごく狭い空間しか確保できないはずです」

「要するに中身が無いただの塔だって言うことかい?」

ヤヒスはツタが絡まった尖塔を叩きながら言った。


「ふむ、では何のためにこのような高い塔を作ったのだ?」

リャヒが塔を眺めながら言った。


「おそらくは何らかの信仰や、権力の象徴ではないでしょうか、古書にはそのような物を建築することは少なくないと記されていました」


「そうか、そう言った建物である以上は剥離で分解して確かめるなんてのは無粋の極みだね」

ヤヒスは腕組みして意匠を眺めている」


「何もなくても良いのよ、誰に知られなくても良いのよ、長い時間、誰も来なかったところに謎を解いて苦労して推測し、私たちが足を踏み入れた、それでこそ冒険者の醍醐味よ」

ヴィーシャは満足そうにうなづいている。


「ま、他にも建物が見えるしのう、それになんぞあるかもしれんわ」

フィスは先に立って歩き出した」


二人組に分かれて居住地域らしきところを調べて周ったが、さしたるものもなく、遺体の痕跡や、戦の跡も見られなかった。


「建物の損傷も少ないし、家具もほとんど壊れていない、ここの住民はどこへ行ってしまったのかしら」

ヴィーシャは居住地域を眺めながら話している。


「まず、遺体がありませんし、破壊された痕跡もありません、一番謎なのは文明の発展具合と尖塔などがある割には住居が少なすぎる点です、これでは集団を維持できる限界人口ギリギリです」

全員で歩きながらミードリが難しい顔つきをしている。

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