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155 中央森林を行け①

ヤヒスとミードリが中央の大森林になにがしかの遺跡があると推測し、メンバー全員に報告すると、全員が興味深そうな表情をした。


「あんな場所に都市があったと言うの?」

ヴィーシャは多少疑問を持っているようだ。


「うん、最初は俺もそう思ったんだ、森林の中に都市があると考えると違和感が強いけれど、都市があった場所が森林になったと考え方を変えると納得できなくもないんだ」

ヤヒスの話しにリャヒが答える。


「うむ、理屈だな、納得がいくぞ」

「なんぞ名前は残っとらんのか?」

フィスがふんぞり返って地図を見下げている。


「それが無いんですよ、意匠が描かれているだけで」

「名前を呼びようがない、不便だね」

ミードリの言葉にパムが返事を返している。


「ま、ともかく行ってみましょう、チヌックで上空から探せばなにか見えるかもしれないわ」

ヴィーシャがそう言うと、ヤヒスは食料を調達に出かけて行った。


「うん?ヤヒスは何も言わないで出て行ったがヴィーシャの言わんとすることが分かるのか」

リャヒは何気ない口調で疑問を投げかけた。

「つき合いが長い、お互いに言わなくてもわかる、仲が良い証拠」

「何じゃただの、夫婦仲か、まあマスターはワシのだがな」

パムとフィスはにこにこ話している。


それを聞いたヴィーシャは顔を真っ赤にして椅子に座り込むと、顔を突っ伏してしまった。


(しかし遺跡が上から見つからない場合は、あんなにも深い大森林を徒歩で踏み入らなくてはならない、っ磁石が効かないとか一度入ったら出られないなどと聞くけど、どうしようかなぁ)

ヤヒスは森林探索用の装備も買い求めることにした。


次の日、チヌックで空の上から中央大森林を見下ろしながら飛んでいた、しばらく飛ぶと、ひときわ盛り上がった樹林があり、所々に石のようなものが見えていた。


「あれ・・・じゃないの?」

ヴィーシャは指さして皆に声をかける。


「ああー・・・あからさまにあれな感じだねぇ」

ヤヒスは笑っている。


「チヌック!あのふくらみの一番平坦な箇所に降り立ってくれ!」

「は、我が主」

ヤヒスとチヌックがやり取りをして埋没した遺跡の、比較的広い場所に降り立った。


「これは・・・寺院か王宮の跡でしょうね、ひときわ高い建物は往々にしてそうですから、降りるのに気を付けてください。

ミードリがそう言うと石造りの段差を皆慎重に降りて行った。

森林の中は暗く、見回すと小さな建物も無数に見え隠れしていた。


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