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150 バーダーの岩窟③

バーダーの岩窟がある山岳地帯の麓で一夜を明かしたヤヒス達は翌日チヌックで岩壁に飛び上がっていった。


「ここだわ、オークたちが詰めていた場所は」

ヴィーシャがチヌックから大きな岩の窪みに降り立ち、全員それに続いた。

そこは奥まで続く広間状態になっており、明らかに何者かの手で掘り進められた跡があった。


パムがライトボールを出すと道が明るく見えて中は相当に広いことが見て取れた。

「一本道で枝分かれしていないですね、砦や宝物を隠すような構造ではありません」

ミードリが道を見回しながらぽつりと言った。


岩を掘りぬいたような道は徐々に広くなり、がれきが積み上げられ、道が塞がれていた。

「剥離!」

ヤヒスのスキルでがれきを吹き飛ばして進む、しばらくするとまたがれきが積み上げられていた


同じようにヤヒスの剥離でがれきを吹き飛ばすと大広間のような空間が広がっていた。

広間に中心には4本の腕をもち、頭に大きな角を生やした巨人が壁に塗りこめられていた


「これが悪しき者・・・」

ヤヒスは近付いてながめている。


「ふむ、封印はまだ効いているようだがどうするのが良いか」

リャヒはこの異形の物をどうすべきかわかりかねていた。


「封印はされているけれど、あと10年もすれば封印がとける、魔力が薄まってきているのからわかるよ」

パムは真剣な面持ちで異形を見つめている。


「パムの魔法で封印を強化できないのかい」

ヤヒスの問いにパムが答えた。

「これはおそらく古代魔法、魔法の構造から素子まで全く違うので、私の魔法形式では手に負えない」


「では封印を解いてそこを倒すしかないなあ」

フィスはやる気満々のようだ。


「・・・封印を解く、どうすればいいと思う」

ヴィーシャがミードリに投げかける。


「この魔物・・・?かどうかも分からない者の胸にある球体が見えますか?薄く光っている、これが恐らく封印している何かでしょう、それを取り外せば封印がとかれるはずです」


「じゃあ、球体を取るよ」

ヤヒスが異形の胸にある球体に手を振れて叫んだ。

「剥離!」


球体は外れ床に転がった。

だが、しばらく待っても何も起こらなかった。

「ふむ、もう死んでいるのではないか?」

リャヒがそう言った直後、4本腕の異形の巨人の身体が震え、体色が紫色に染まり、その目には緑の眼光が宿っていた。


「みんな気を付けて!来るわよ!」

ヴィーシャが叫んだ後ミードリが火炎魔法を異形に打ち込んだ、火炎が晴れたその身体にはやけど一つ付いてはいなかった。


「コイツ・・・強いぞ、今までの敵とは違う気がする」

ヤヒスが声を発し、全員が戦闘の構えを取った。

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