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149 バーダーの岩窟②

ミードリが手に入れた古地図に記された北西の山脈に岩窟があることを発見した、そこには悪しき者が封されていると言う口伝が残っていた。


チヌックで北西に向かい、日が暮れだしたので林に入りヤヒスは食材の調理を始めた。

「んーこれだこれだ、コメの出来る良い匂いだ」

フィスは地面に座り、両足をバタつかせている。


スープキューブのミソスープに野菜を加えたものが煮え、ヤヒスは全員分のコメとおかずを盛り付けていく。


「今回は全部東方の食べ物だよ、この魚はカンロニと言って長持ちする魚だよ、この黒いのはノリといって、コメによく合う海藻を紙状にした食べ物さ、では」


全員が食べすすめていく。


「む・・・カンロニは味が濃いな」

フィスはそのまま食べて微妙な顔をしている。


「だったら、ほら、身をほぐしてコメに乗せて・・・うん、美味しいね」

それを見ていたリャヒが、真似をして食べている。

「うむ!美味だぞ!カンロニの濃さがコメの柔らかい味と合わさってとけておる、しかしこれはコメを食べ過ぎてしまうな」


「そう思って今日は多く炊いてあるからたくさん食べてよ」

フィスはカンロニを細かくほぐしてコメをわしわしと食べている。


「カンロニはいいけど・・・このノリってのは大丈夫なの?真っ黒よ、それにどう見ても紙だし」

ヴィーシャ以下3人はノリに忌避感を抱いているらしい。


「そうだね、ノリも細かく砕いてコメにのせる、そこを一気に食べる!」

ヤヒスを見て3人とも真似をして食べている。


「これは・・・香ばしくて風味が上品・・・じわりと広がる味がコメと」

ミードリははくはくと食べすすめている

「他の二人もノリを受け入れたようで黙って食べている」


「そこで、だ、ノリを乗せたコメにショウユをこう、ちゃっとかけて食べる!ううう・・うまい」


全員が真顔になり、ノリをコメに乗せて醤油をかけたものを食べていく。


「む!これはショウユがかかっただけで奥深さが!!」

リャヒはコメをお代わりしてノリを乗せ醤油をかける動作を素早く行い、わしわしと食べすすめている。


「ノリもすごいがこのショウユだ・・・なんだ?かけるだけでうまいぞ・・・信じられん」

フィスは恍惚とした表情をしている。


「いいかい、これはサイクルも大事で、コメ、ノリ、ショウユ、カンロニ、など自分でサイクルを変えてみるんだ、そしてみんなが忘れがちなミソスープ、これを合間合間に飲む!」


ごくりと喉の鳴る音がして皆は夢中で食事を進めていく。


食料はコメからなにからすべて空になった。


「最後はこれさ、リョクチャ」

ヤヒスはリョクチャを飲むと晴れやかな顔になった。


リャヒも真似してリョクチャを飲む。

「んん!塩辛くなっていた口の中がこの苦みと香ばしさでスッキリと整っていく!!」


全員が緑茶をすすり晴れやかな顔になって余は更けていった。

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