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140 謀反②

北方の国プルツ国、以前では魔物が住む国とされていたそこは、現在はソヴィリバーレと友好を結び、人材交流などもはじまり、国として発展していた矢先、国王リャヒ不在の折に、大臣が謀反を起こし、混乱状態になっていた。


「うむ、プルツが見えてきたぞ」

リャヒはチヌックの背から遠くを見ている。


「じゃあ、いつもと違って衛兵の目の前に降りるからね」

ヤヒスはそう言った後でチヌックに指示を出した。


チヌックはスピードを少し緩めただけで、衛兵たちの並ぶ前に降り立った。

すでに腰を抜かしたり後ずさりする者も見られる。


「ぐ・・・グリフォン」

体勢を立て直した者が前に出てきたため、ヤヒス達はチヌックの背から降り立った。


「ん、ああっ国王様!!・・・えぃ、ではない!ソヴィリバーレに放逐されたリャヒよ!何の用だ!?」

衛兵の一人が強気に出て来た。

「ふむ、早くも我は追放された者扱いか、そこを通してくれるとありがたいのだがな、このグリフォンも腹が空いているようでなぁ・・・どうかな?」

「そのような脅しは効かぬ!大臣殿からはここを誰も通すなと言い使っておる!」

「・・・そうか、ではフィスの出番だな」


「あいよっ!!」

フィスがそう言うと少女にしか見えない彼女の身体は、つむじ風に巻かれて空高く舞い上がり、眩しく光ったかと思うと、レッドドラゴンの姿に戻っていた。


「れ!レッドドラゴン!!」

衛兵はちりじりに逃げ出したが、踏みとどまっている者がいたため、リャヒは空に火炎を噴き出して脅しをかけた。


その者らが逃げ去るのを追う形で、リャヒとレッドドラゴンが並んでゆっくりと歩いて言った、ドラゴンの足音は、地に響き、先方にいる衛兵たちまでみなちりじりに逃げ出して行った。

「ふ、弱兵どもよのう」

フィスが言うとヤヒスがそれに答えた。


「レッドドラゴンがのしのし歩いてきたら誰だって逃げ出すよ」

そのまま衛兵を散らしながら進むと王城が見えてきた。


「よし、ここらで一発やっとくか」

フィスはそう言うと射程の長い火炎を一発放ち、空を仰いで咆哮を上げた。

「う・・・るさっ・・・」

ヴィーシャがそうつぶやいて耳をふさいだ。


王城の前に来た時にはすでに城門の衛兵も内部の衛兵もほとんど逃げ出しており、すれ違う国王リャヒに這いつくばって慈悲をこい、震えている。


そのまま歩くと王座の間にたどり着き、大臣らしき者が小刻みに震えながら王座に座っていた。


「さて、その椅子を我に返してくれぬかな?」

リャヒがそう言うと大臣は何事か大きな声を出すと奥から体躯の大きいオークがやってきた。


「さて、私たちはここまで、あとはあなたが始末をつけるのよ」

ヴィーシャの言葉にリャヒは槍を構えながら答えた。


「わかっておる、ここで戦わねば父祖の恥!参る!!」

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