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138 魔道具の使い道

ヤヒス達は魔道具の一秒時計と加速装置を手に入れて、戦闘が楽になるかと思えばそう甘いものでもなかった。


「加速装置は一日1回が限度ね、体力を消耗しすぎるわ、ここぞと言う時に使うのが良いのだろうけど、そのここぞと言う時には加速装置を使うタイミングが難しいわ」

「1秒時計もそうだよ、タイミングがずれると逆に不利になっちゃう」


ヴィーシャとヤヒスはダンジョン内で座り込んで魔道具を眺めている。


「魔道具と言っても色々あるのだな、これはハズレなのか?」

リャヒが真剣な顔で魔道具を眺めている。

「一概に当たり外れとはいえません、使い手しだいで魔道具は使い物になります、ですが今回の物はハズレに近いでしょうね」

ミードリは残念そうな表情でうつむく。


「加速装置で攻撃を一手増やせるならば、消費する分の体力で手数を増やす方が良いと言うことだな」


ヤヒスとヴィーシャはそれぞれ魔道具をポーチにしまって言った。

「とりあえず御守り代わりに携帯するようにするよ、幸い大きなものでもないし」


それから全員でダンジョンを出て、カフェに入ってお茶を飲むことにした。

「魔道具なんてみんなこんなものなのかしら」

ヴィーシャはお茶を飲みながら誰にともなく言った。


「本に出ている限りは、ほんのわずかなアドバンテージを得られるものばかりでした、例えば体力を消耗して攻撃力を上げる、魔法の威力は高まりますが、発動時間が長く、魔力を大量に消費するなどです」

ミードリは魔道具に関しての話しをつづけた。


「無から有は作りだせない、燃料が無ければ火は起こせない、そう言うことかな」

パムが分かりやすい話をする。


「うーん、まぁ全く使えないってわけではあるし、ダンジョンにご丁寧に隠されていたのだから、これからの経験の中でうまい運用方法が見つかるかも知らんて」

フィスは椅子を傾けてうなづいている。


そう言った流れでカフェを出てパーティーホームに戻り、各自個人的な用事で自室やリビングでくつろいでいた。

やがて夕飯の時間になるとヤヒスが全員を呼んだ。


「今日は東方のスケロクって弁当にリョクチャと呼ばれているお茶にしてみたよ」

ヤヒスがお茶を入れている。

「これはどうやって食すのだ?」

リャヒが弁当を前に不思議がっている。


「手で食べるんだって、うん・・・おいしい」

ヤヒスが手づかみでスケロクを食べているのを見て全員手で食べ始めた


「美味だぞ!」

「おいしいじゃないこれ!コメを使っているのね!」

リャヒとヴィーシャが明るい顔になり、他のみんなも次々に食べだす。

「この茶色の塊は甘しょっぱくておいしいですね」

「黒いのが巻いてあるのはうま味が凝縮されておる!」


「それで、食べた後にリョクチャを飲むんだ」

そう言ってお茶を飲んだヤヒスに皆が習う。


「これ・・・濃い目の味と油分が取れて口の中がスッキリするわ」

「うむ、渋めの味が実に合う!」


「いや、喜んでもらえて良かったよ」

ヤヒスの言葉にヴィーシャが答えた。

「東方の食事は本当においしいわね・・・」


全員が黙々と食べる静かな音がダイニングにこだましていた。




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