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137 加速装置

黄昏パーティーはヤヒスダンジョンに潜っていた。

主にリャヒが加わったことでの連携や修羅場を経験するためだ、最初は戸惑っていたリャヒだったが、天性のカンなのか、トラップの場所や、宝物のありかを少なからず見破っていた。


「そこの壁から一段と妙な気配を感じるな、ヤヒスやってくれ」

そう言われたヤヒスは、剥離のスキルで壁を崩した。


中には小部屋があり、手のひら大の魔道具らしきものが置かれていた。

「トラップなんじゃないの?」

ヴィーシャがそう言うのでヤヒスは鑑定を始めた。


「トラップではないね、感知に引っかからない」

ヤヒスがそう言うと、フィスはどかどかと部屋に踏む混み、魔道具らしきものを手にした。

「何じゃ、金属の塊でボタンが付いているだけだぞ」


フィスはその塊をヤヒスに手渡した、彼はしばらく見つめていたあと、裏返すと何かつぶやいた。


「えーと、加速、加速装置って書いてある」

「加速装置?」

ヴィーシャは訝しんでいる。


「それなら本で見たことがあります、高名な発明家が作ったもので、この世に数個しかない貴重な物です、効果はボタンを押した人間が一瞬普段の何倍もの速さで動くことが出来ると言うものです」


「一秒時計と言い、最近は妙なアイテムに出くわすね」

パムは装置を眺めながら目を細めている。


とにかく次の戦闘で使ってみましょう。

ヴィーシャはそれをポーチにしまった。

幾時か過ぎたあと、魔物が単体でうろついているのを発見した。


「加速装置を試すいい機会だわ」

ヴィーシャはポーチの中にある装置のボタンを押した。


そのとたん、ヴィーシャは魔物の目の前に移動していた、慌てて攻撃をして魔物を打ち倒すと、またヤヒス達の元へ戻ってきた。


「私の動きはどう見えた?」

「一応見えるがまぁ気付いたら位置が移動していたと言った感じに見えたな、こりゃ反則的な発明品だぞ」

ヴィーシャとリャヒがやり取りしている。


「これはすごいアドバンテージになるぞ・・・」

ヤヒスが驚いてヴィーシャ達を見ている。


「魔道具は色々なものがあるんだね、最も店で見かけるのは効果の少ないものばかりだけど。

「ふむ、魔道具のことはほとんど考えてことが無かったが、これからは留意してみるか」

パムとリャヒは市場で見かけた魔道具や、その値段の話しで盛り上がっている。


「ん・・・身体が何だかだるいしこわばっているわね」

「なるほど、加速装置の反動と言ったところでしょう、加速はするけれどもその分使われるエネルギーや肉体の負担が増加するのでしょう」

「うーん・・・これは連発して使えるようなものではないわね」

ヴィーシャはミードリに話を聞いて不満げな顔をしている。


「なんだ、まぁそううまいこといくもんではないて」

フィスは壁にもたれかかりながら訳知り顔で言葉を発した。



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